「傾聴」できない人は「人望」がない

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しあわせのトンボ:人望について=近藤勝重 - 毎日jp(毎日新聞)

あれは確か99年秋の民主党代表選の時であったか、鳩山由紀夫氏と共に立候補した菅氏は、本紙のインタビューでこう語っている。
 
「これまで口7割、耳3割だったが、これからは耳7割、口3割でいく」
 
自らを問題提起型であったと振り返り、これからは人の話に耳を傾け、みんなが動ける体制を、と抱負を語っての発言であったと思う。しかしそう簡単に変われないことは、その後の「イラ菅」ぶりが物語っている。ぼくもMBSラジオの総選挙特番で菅氏に話をうかがったことがあるが、短時間であったせいか、「耳1、口9」の印象であった。
 
内閣不信任決議案が出された日の党首討論では、自民党の谷垣禎一総裁の菅首相批判は「怒鳴りつけ、叱りつけ、責任を押しつける」などと、人格攻撃にも及んでいた。時の首相にそこまで!ではあるものの、菅首相自ら民主党代議士会で「私の性格が強気で勝手すぎるところもあるが」などと言っているから、それなりに自覚するところがあるのかもしれない。
 
ぼくは以前から人望ということに関心があり、その関係の本を出す際、「人望のある上司とは?」とある労組の研修会で200人アンケートを行ったことがある。目立った回答例を列記すると、人の話をよく聞く/頭ごなしに否定しない/人の痛みがわかる/結果だけで判断せず、その経過を重視してくれる/相手の立場で物事を考えている/裏切らない……などであった。少数の集まりでも同じ質問をするが、断然多いのは、「ちゃんと話を聞いてくれる人」で、その答えをおいて人望の説明はできそうもないのである。

「人の話をちゃんと聴く」のって時間も掛かりますし、とっても忍耐力が必要です。
特に自分と意見が異なる人と相対する場合は、相手の話の途中で自分の意見を言っちゃったり、「要は~」とか勝手に相手の意見をまとめちゃったりしがちです。

自分も「イラ管」になっていないか、気を付けないといけませんね。