教室の掃除当番

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サラリーマンとビジネスマンの違い(雑感): やまもといちろうBLOG(ブログ)

また、いろんな部門が個別に最適を求めていったとき、会社としてのまとまりを持たせるための管理部門などのコストセンターをどうするのか、どういう風に各部門にそのコストを乗せるのかという話になります。また、厳密に会計を積み上げた経験が乏しいと、工数管理が面倒だとか、管理に追われて本来の仕事ができないといったクレームが湧き上がることもまた多いんです。
 
でも、本来の商いというのは、本業で重要な部分はもちろんあるけど、それ以上に雑用があって、それをこなすための工数や費用を考えてなお黒字であることを目指すものでありまして、実際のところ商いでクリティカルな部分よりも雑用をいかに効率的に捌くかというのもまたマネージメントの必要な機能なんだろうと思います。教室の掃除当番的な、後ろ向きで直接カネにはならないことでもしっかりこなしていく手配が必要になってくるわけです。

いやもう、このところずっと「後ろ向きで直接カネにはならないこと」ばかりやってますよ。 お偉いさんのフラッシュアイデア対応とかね。

個人的にはサラリーマンとビジネスマンの違いに興味はないのですが、

私自身、経営方針として社員や事業のマネージャーに売り上げ目標というものは立てさせません。むしろ、所定の予算なり人員なりの中で、どれだけうまく仕事に取り組めたのか、納期第一として、品質はどこまで積み上げられたか、次に繋がる資産はなんだったか、反省材料は何で、次回に生かすとしたらどの辺か、といった部分をとても重視しています。
 
いろいろと仕事や子会社を任せていて思ったのは、サラリーマンの人たちに目標を押し付けてこなさせるというマネジメントは、短期的には成果が出やすいし方法論として楽なんだろうけれども、競争の源泉となる創意工夫が後回しになるんだなあということです。目標達成へのモチベーションが年を追うごとに磨耗していき、結果として疲弊した組織で新しいことに何一つ取り組めず、前からの方法論を踏襲するだけの会社になってしまって、肝心の商いが回らなくなっていくんだなあと感じたからですね。

日本の大企業が世界的な競争において、どんどん旗色が悪くなっている理由がこのあたりにありそうですね。
けして成り行きではなく、でもやらされ感を持たさずに、力を引き出すというのは難しいですね。

適材適所というのは難しいもので、その会社に勤めている誰が、どういう能力がありそうか、という目利きがまずどうしても必要になるんですけれども、実際これって相当大変なことです。私だって自信がありません。なので、誰がどの仕事に向いているのか、というのは経歴や話してみての性格を元に、仕事を任せて見ない限り分からないんです。任せてみて、ああ彼はラストチャンスだなとか、複数タスクを任せると手が止まる人だなとか、そういう見極めを一個一個して、本人と対話して、向き合っていくしかないんでしょうね。
 
なので、ビジネスマンのように損益表をもてない人でも、どこかのスキルに特化して、そこを磨いてアピールするのがサラリーマンの生き残り方なのだろうと最近になって良く分かってきました。幹部になりたくない現場志向の人や、いまある業務の特定の作業が好きだという人の気持ちが、少しだけ、理解できるようになりました。

「複数タスクを任せると手が止まる人」というのは自分の事です(笑)。  つくづく向いてないと思いました。