2011年 8月13日(土)
なんとか無事に友人Hと合流できた訳だが、ここからどうするかが問題だ。
Hは「東北のんびりツーリングでもいいかなと思っている」というが、北海道上陸を完全に諦めた訳でもないようだ。
廃線マニアのHは、北海道の廃線跡めぐりを計画していた。 ここまで来て引き返すのは無念だろう。
北海道に渡るにせよ、ツーリングをやめて帰るにせよ、Hのバイクは押しがけ始動が必要なので、二人は行動を共にする必要がある。
本来なら既に北海道に渡っているはずのHのことを考えると、このまま下北半島まで行って、大間からフェリーに乗るべきなんだろうが、今から行っても最終のフェリーには間に合わない。
第一、仮眠30分で埼玉からここまで走ってきて、さらに下北半島まで走る体力が自分にあるか、全く自信がない。 今はまだアリVが効いているが、途中で切れたら終わりだ。
自分の場合は、乳頭、玉川、酸ヶ湯温泉に行きたいとか、鳥海山以北の日本海側を走りたいとか、いろいろあるが、「岩手、青森、北海道の3道県で宿泊する」という課題を達成するのが最優先だ。
本来なら初日に岩手、二日目に青森とキャンプ泊する予定だったが、この時間に雫石に居て岩手に泊まるのはあり得ない。 北海道からの帰りに泊まるしかないだろう。
地図を見ながら20分くらい考えたが、これからどうするべきか妙案は浮かばなかった。
ここで悶々としていても仕方ないので、「とりあえず田沢湖まで行ってみよう」と提案し、12:20に出発することにした。
雫石あねっこの駐車場は、なだらかに傾斜していた。 まずはHが一人で押し掛けしてみたが、エンジン始動せず。 自分が後ろから押して3度目くらいでようやく掛かった。 これを一人で何度も繰り返すのは大変だっただろう。
ノープランのまま、12:52 田沢湖に到着。 普通なら辰子像でも見に行くんだろうが、前に見たし今はそれどころではない。
ドライブインをぶらぶらしながらも、寝不足なアタマでどうしたもんかと考えていた。 とりあえずババヘラでも食べてみよう。
ここは無料で秋田犬の見学ができる。 ちょっと行ってみた。
なんだかすごい人だかりで、よく見えない。 何があるんだろう?
犬舎のなかで、おじさんが犬の顔を拭いていただけだった。 大きくて強そうな秋田犬が、おとなしくなすがままになっているのが物珍しかったんだろう。
こっちは観光客が連れていた柴犬。 やっぱり自分はこっちの方がいいな。 などと犬に癒されている場合ではない!
でも今晩どうするか、ようやく結論が出た。 八幡平の後生掛キャンプ場に行くことにする。
後生掛キャンプ場は秋田県なので、自分の目的からは外れるのだが、青森まで行こうとするとちょっと遠い。
かといって、八幡平を東に降りて松川温泉あたりのキャンプ場に行くのも、昨日Hが岩手山南側の相ノ沢キャンプ場に泊まったことを考えると、100km以上走って山の反対側なんて馬鹿馬鹿しく感じる。
後生掛キャンプ場の近くには後生掛温泉がある。 ここは初めての東北ツーリングで一緒に走った、同僚Mおすすめの温泉だ。
あの時は時間がなくて入れなかったので、気になっていたのだ。 友人Hにも同意を得た。
そうと決まれば善は急げ。 13:20 に出発し、R341を北上する。
新玉川大橋の手前で、玉川河川敷があまりに綺麗だったので立ち止まる。 肉眼だとセイタカアワダチソウの黄色い花が、スポットライトを浴びたように輝いていて、とても綺麗だった。
玉川温泉の前を通りかかったときは、よっぽど立ち寄ろうかと思った。
時間的余裕はあったのだが、ここで入ってしまうとドーピング効果が消えてしまい、テントを設営する気力がなくなってしまうかもしれない。 泣く泣く通過する。
14:09 八幡平アスピーテライン(県道23号)の入り口に到着。
後生掛キャンプ場は、ビジターセンターの少し先にある。 入り口の看板が目立たないので、通り過ぎそうになった。 14:27 到着。
実はそんなに期待していなかったのだが、意外に広くてオートキャンパーも多い。 施設も充実していて、さすが環境省がやっているだけのことはある。 予約なしだといい顔しないキャンプ場も多いが、快く受付してくれた。
自分達がテントを張っている間にも、どんどんバイク乗り達がやってきた。 あっという間にサイトが埋まる。
15:08 まだ風呂に行くには時間が早いので、アスピーテラインを走りに行くことにする。 キャンプ道具がないと軽くていいね!
15:22 岩手県との県境になる見返峠に到着。 Tシャツ一枚だが、思ったよりは寒くない。 とはいえ特にやることもないので、写真を撮ったらさっさと降りることにする。
15:41 後生掛温泉に到着。 いやぁ、懐かしい。 湯畑からは硫黄の匂いが漂ってくる。
立ち寄り湯へは、こちらの坂道を下っていく。
ここが受付。 湯治者用に売店もある。 中の階段をさらに下っていく。
この建物の中が温泉。 湯治場独特の佇まいがある。 右手前の渡り廊下沿いに「毛せん峠の水」が引かれている。
お湯は真っ白ではなくちょっと乳褐色。 湯船に浸かっているときは、不思議と硫黄の匂いは感じなかった。 玉川温泉のように刺激は強くなく、優しい温泉だ。
Hの大好きな打たせ湯もあった。 箱蒸し風呂や、泥湯もある。 一時間、たっぷり入って外に出た。 「毛せん峠の水」が美味い!
実は田沢湖に居た時点から、食材の買い出しをどうしようかというのが課題だった。
キャンプ場で一緒だった男性から、R341に降りて鹿角市側へ行くとコンビニがあると聞いていたのだが、面倒なのでここの売店で買っていくことにする。
ビールや酒類はもとより、卵、豆腐、ベーコン、おにぎり、弁当など、たいていの食材はある。 野菜、精肉は取り寄せ(予約)制のようだった。 少々割高なのは仕方ない。
温泉地のお約束である黒たまごもあった。
キャンプ場に戻って、ささやかに宴会。 売店で買った焼酎が、日本酒の酒粕を原料にしたものだったのは大失敗。 甘酒みたいな風味だった。
早めにお開きとなり、21時半には床についた。
本日の走行距離 102km
Google Earth用KMZファイル(雫石~後生掛) → 20110813.kmz
3日目に続く。