隠しても伝わる「本音」

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反省なきトップは退場、反省あるトップは続投:日経ビジネスオンライン

研修はいわゆる360度評価のような形で事前準備が行われた。細かい部分は忘れてしまったが、大項目が「自発性」「確動性(約束を確実に実行できているかどうか)」「協調性」など5つくらいあり、それぞれ10前後の質問が用意されていた。
 
例えば「協調性」であれば、「同僚の意見に耳を傾けていますか」「課の目標達成をともに喜び合っていますか」といった質問が並ぶ。「協調性」といっても横並び意識を持てという意図ではなく、積極的なチームワークの実現を意味していた。
 
これら50個くらいの質問に、上司と同僚全員、そして自身が、「5:ほぼできている」から「1:ほぼできていない」まで5段階で答える。回答は直接研修本部に集められて集計され、上司、同僚は平均点が出されて、本人のデータと比較される。本人はこれらデータから、自分と上司・同僚の点数がかい離している点を中心に自己分析して、本番であるフィードバック研修(以下FB)に臨むのだ。
 
FBは、本人が進行役となり、上司と同僚が顔をそろえて1人ずつ順に行われる。私が新人当時は会社がこの研修にかけるパワーはものすごく、業務を終えた夕方から始めて、1日でメンバー2人が終わればいい方だった。本人の「これまでの振り返りと今後の努力目標」に対して、メンバー全員が納得し尽くすまでやる。容赦なくエンドレスだった。

昔話かもしれないけど、確かにリクルートなら新人に対してもこんな研修をするだろうね。

今はどうだか知らないけど、ウチの会社の役職者選抜研修でもリクルートが関わってました。
参加した同僚はやっぱり大変そうでしたね。

よく覚えているのは1時間くらいでシャンシャンと終わりそうだったあるメンバーのFBが、黙って聞いていた1人の同僚の「でも何だかすっきりしない感じ」のひと言でひっくり返ったことだ。最初からやり直しになり、気がつけば全員の終電時間が過ぎていた。21世紀にはあり得ない状況だった。
 
前置きが長くなったが、この「でも何だかすっきりしない感じ」がポイントだった。1人の「でも何だかすっきりしない感じ」は、実は他のメンバーも「言われてみれば自分もそうだった」という“感じ”だったからだ。「本気で反省しているか否か」は、本人の表情や言動、それ以外の場の空気など、目に見えないものも含めて確実に伝わっていた。
 
実際本人を問いただすと、「長くなるFBを恐れて、“素直に振り返っているふり、前向きに頑張ろうとしているふりをして”、進行しようとしていた」ことが発覚する。「なぜそんなことしたの?」「みんなは信じようと思ったのに裏切られた」「あなたのことをこれからどう信じればいいの?」と非難ごうごうだ。
 
かくいう私もエンドレス組の一人だった。ごまかして“ふりをした”わけではないが、どこかで自分に素直になれなかったのだ。そしてその違和感はしっかりとメンバー全員に伝わっていた。「それは本音じゃないだろう?」と。
 
延々とこれまでの「協調性」に欠けていた行動を詰められる中で、「メンバーに対して悪かったと思うなら、素直に認めて謝りなさい。そうしたらメンバーは許してくれるよ」と言われた。頑固な私もみんなの終電時間を前に、メンバーに対する思いやりの足りなかった自分を反省し素直に謝った。
 
先輩たちは口々に言った。「最初から反省して謝っていれば、みんな“分かった、これから頑張れ”って言って、それで終わったのに」と。

うげー。 反吐がでる。 自己批判総括かって感じだね。 とてもじゃないけど、自分は働けないな。

でももし自分がそんな研修を受けたら、本音をブチまける方が好きなので、別な意味で炎上するでしょうね。