86のチーフエンジニアに、「いまの時代、復活させるのはハチロクではなく、ヨタハチ(トヨタ・スポーツ800)だったんじゃないでしょうか」と冗談半分に水を向けると、「そうなんです」と多田哲哉さんは膝をたたいた。「軽量、水平対向、FR。トヨタの伝統といえる要素が詰まっていますから!」。
うーん、そう解釈するのか、と多田さんの答えに感心する。試乗後に開かれた説明会では、トヨタのスポーツモデルの源流である「トヨタ・スポーツ800」のコンセプト、「トヨタ2000GT」の均整の取れたスタイル、そして「ユーザーが遊んでくれる」手頃なFRスポーツ、ハチロクの世界観を復活させたのが、新しい86である、とキレイにまとめられていた。
個人的には「ハチロク」でも「ヨタハチ」でもなく、S15型「シルビア」の復活にしか見えないんだけどな。
それでも赤字を垂れ流していながらも、社長の趣味でスポーツカーを作っちゃうところがステキです。