「オリンパス」をどうしたらいいのか |山崎元のマルチスコープ|ダイヤモンド・オンライン
いずれも上場廃止となったが、経営規模に対するインパクトという点では、結局50億円強の不適切な利益計上だったライブドア社のケースよりも、ざっと3000億円の損失を通称「飛ばし」によって先送りしていた山一證券のケースに近い。山一は本来市場を守るべき証券会社だったということもあり、上場廃止だけではなく、自主廃業となった。
オリンパスの株式をどう扱うかは、証券取引所が早急に判断しなければならない問題だが、同社を上場廃止にしなかった場合、今後の、あるいは他の上場企業が、「不正が後から露見しても、上場廃止にはならずに済むだろう」と考えて、正しいルールを守るインセンティブ(誘因)が薄れる悪影響が考えられる。もちろん、現在あるルールは尊重しなければならない。
しかし、特にライブドア問題や西武鉄道の件で問題視されるようになったことだが、上場廃止は、本来誤った情報に基づいて株式を買ったり、不適切な経営で株価が下がったりという経緯で、実質的には本件の最大の被害者であるオリンパスの現在の株主に対して厳しい処罰となる点は、問題だろう。
過去に問題のある取締役を選んでいたという点では、株主にも責任の一端があると考えることは一応できる。それが株式投資というゲームのルールだという意見にも一理はある。しかし、損失が対外的に隠されていた本件にあって、株主の責任をこれ以上問うのは酷だろう。
別に上場廃止したからといって、株券の価値が無になる訳ではないでしょう。 非公開の企業もいっぱいありますし、再上場の可能性も高いです。
海外に対する信用回復の意味からも、オリンパスの上場廃止は避けられないのでは?
むしろ事業ごとの解体に進むことを心配した方がいいんじゃないかしら。
asahi.com(朝日新聞社):オリンパス、2年前に買収「正当化」 報告書作成 - ビジネス・経済
オリンパスの損失隠し問題で、損失の穴埋めに使われた企業買収について、同社が2009年にも外部の有識者に検証を依頼し、「違法・不正とまでは評価できない」とする報告書を作成していたことが9日、分かった。菊川剛前会長兼社長(当時社長)らは、これを根拠に買収を正当化することで、損失隠しの発覚を防いでいたとみられる。(中略)
だが、朝日新聞が入手した報告書は09年5月にオリンパスの監査役会が外部の有識者に作らせたもので、今回問題になっている(1)英国の医療機器会社を約2100億円で買収した際、助言会社に支払った666億円(2)健康食品会社など国内3社を買収した際に支払った計734億円について、妥当性が検証されていた。
その外部の有識者って誰なんだろうね。