ホンダ フリードHV 見えてきたハイブリッドの限界? - トレンド - 日経トレンディネット
なにしろホンダがインサイトを出したのが2009年春で、それをフィットに転用したのが2010年の今頃。そこからすでに1年かかっており、単純に考えるとどうしてここまでかかったの? と思わなくもない。排気量をアップしているとはいえ、基本ユニットはすべて同じで、プラットフォームも共通なのだ。
なぜに時間がかかったのか。
「バッテリー関係をリアに収めるのが大変でした。最初は床下が10cmぐらい上がってたんです」
そう、いくらホンダのIMAシステムが小さいとはいえ、そもそもミニバンにはシステムを収めるスペースの余裕がなく、けっこう知恵を絞ったそうだ。しかもトヨタには絶対できない、「ホンダならではのモノを」という狙いがあったのでターゲットスペックもまた簡単には譲れない。(中略)
今回私は最後に、エンジニアに「『ステップワゴン ハイブリッド』は出ないんですか?」と聞いてみている。すると「当分難しいです」との返事。「実際に走りとしての差、燃費の差が出しにくい」ということなのだ。
そりゃそうだ。現状フィットでさえ、モード燃費の差はノーマルとハイブリッドで約5km/L。しかも絶対的に10・15モードで30km/Lに達するのでインパクトはデカい。しかし、ステップワゴンの場合、現状最良燃費で14km/Lであり、例え伸びても20km/Lに達しないだろうし、インパクトは小さい。
さらにエンジニア曰く、「特に8名乗車を考えた時の実燃費がキツイ」という。ハイブリッド化によって確かに性能は上がるだろうが、感覚的にもスペック的にもその伸びしろは少なく、値段に見合わないのだ。
そう考えると、本当に売れ、それが販売のメインになる大型ハイブリッドミニバン、ハイブリッドSUV、ハイブリッドスポーツカーの登場はそう簡単ではなさそうで、まだまだ時間がかかりそうである。
次にFMCするときは、最初からHEVを前提に設計するから、コストも性能も上がると思うよ。
その頃にはリチウムイオン充電池になっているかもね。