金言:ホルムズ海峡、昔と今=西川恵 - 毎日jp(毎日新聞)
約30年前、テヘラン特派員だった時、邦人駐在員の家に夜集まると、よくカラオケになった。イランは革命直後の混乱期で、しかもイラン・イラク戦争のさなか。日常品も限られ生活は厳しく、ほとんどの駐在員が妻子を日本に置いての単身赴任だった。
当時、中東は今日のように身近でなく、世界のへき地に来た趣があった。その孤独感にピタリ合ったのだろう。よく歌われた曲に「津軽海峡・冬景色」の替え歌「ホルムズ海峡・砂景色」があった。
〓成田発の夜行飛行機降りた時から
アブダビ空港は砂の中
南へ下る人の群れは
だれも無口で
砂鳴りだけを聞いている
私も一人 ひたいに汗して
つまらなそうなラクダ見つめ泣いていました
ああ ホルムズ海峡砂景色
替え歌は、アラブ首長国連邦のアブダビで飛行機を乗り換えテヘランに向かうという設定で、2番、3番と続く。
素晴らしい。 駐在者のやるせない感じがよく出ていますね。