欧州「太陽光発電バブル」の破綻

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
  • ハッシュタグ:

太陽光Qセルズの破綻:日経ビジネスオンライン

ドイツの太陽光パネル大手Qセルズが破綻した。1999年に創業し、欧州の再生エネルギー促進策を追い風に急成長したが、巨額の損失と負債を抱え法的整理に入った。
 
同社の2011年連結売上高は10億ユーロ(約1100億円)で、最終損益は工場設備などの減損処理がかさみ、8億4600万ユーロの赤字。純負債額は4億3200万ユーロに上り、債権者と債務削減交渉にも失敗し、万策尽きた。

シャープが抜かれて世界シェア1位から転落したとか、ドイツは補助金政策で太陽光パネル産業を急成長させたとか、話題になりましたが、打ち上げ花火で終わってしまいましたね。

何がいけなかったんでしょうか?

実際、太陽光パネル市場の崩壊が始まったのはリーマンショックが発生した2008年、スペインが補助金対象となる太陽光パネルの年間設置量に上限を設定したのがきっかけだった。スペインは2010年、大規模設備向けの補助金を45%カットするなど政策を大幅に見直し、今年はすべての補助金の新規適用を停止した。ドイツでも、補助金は段階的に削られ、今年は一気に32%も減らされる。
 
補助金という“麻薬”を失った市場は、年間需要の約7割にも相当する過剰生産設備を抱えており、昨年は「セル」と呼ばれる太陽光パネルの中核部品の価格は6割も暴落した。ドイツではQセルズのほか、既に中堅メーカー2社が破綻している。
 
確かに、欧州では補助金により太陽光発電の普及は進んだ。雇用創出にも一定の効果を上げた。だが、補助金はQセルズなど企業のリスク感覚を麻痺させ、中国メーカーの競争力に対抗するための構造改革を遅らせた。Qセルズがマレーシアに工場を立ち上げて生産を移管し始めたのは2009年。それまでは高コストでも「Made in Germany」にこだわり続けた。

自分がEVを推進する企業に批判的なのは、補助金を当てにして事業計画を策定しているからです。 風向きが変わってはしごを外されてしまうと、あっという間に行き詰ってしまいます。

日産などはその程度で潰れることはないですが、EVベンチャーなんかは芸能人の店より早く潰れそうです。

事業にとって死活的に重要なものを、他者に委ねてしまうことほど愚かなことはありません。