株価100円割れの大ピンチマツダはこの先、生き残れるか!?|セクシー・ボリンジャーはお見通し!|ザイ・オンライン
マツダ(7261)の株価が5月15日、取引時間中に100円になりました。1949年5月に東京証券取引所に上場してから63年間で、最も安い株価です。乗りもの株を愛する者として、非常に残念でなりません。マツダの株価はどうしてこんなことになってしまったのか、これからどうなってしまうのでしょうか!?(中略)
それで、今年3月、マツダはトンデモ巨額増資を実施してしまいました。発行済み株式数17億8037万7399株に対して12億1900万株もの新株発行。1628億円を得ましたが既存株は68.5%も希薄化しました。(増資と「希薄化」がどういうものかは当連載第4回の記事を参照してください)。
しかも、同社は2009年にも「環境・安全分野の研究開発費に充当する」などとして、3億6300万株を増資しています。この時は26%の希薄化でした。増資による希薄化は、既存投資家に犠牲を強いるものです。「これで業績が上がるなら…」と涙を飲んで受け入れたのに、またもや「お金が足りなくなりましたんで、よろしく」と無心したのと同じです。
クルマはかっこいい、技術は素晴らしい。応援したい気持ちもある。でも、投資家をお財布扱いするかのようなトンデモ増資をやらかして、株価がこんなになっている。愛憎入り混じるこの複雑な気持ち、わかっていただけますか!
三菱自も2004年にダイクラに切られた時には、三菱グループの支援で優先株による巨額増資でしのぎました。
三菱自も今は小康を保っていますが、優先株の普通株への転換や配当については、手付かずのままです。 それが重荷でPSAとの提携もOEM止まり。 日産との軽事業の合弁も、そのうち「軒を貸して母屋を取られる」ことになるかも。
マツダとしても、したくてやった訳ではない増資だったのだと思いますが、このツケは将来の選択肢をかなり制約することになるでしょうね。
SKYACTIVについては、燃費性能だけなら他社にキャッチアップされてしまいました。 三菱の新型「ミラージュ」はJC08モードで27.2km/Lだそうです(デミオSKYACTIVは25km/L)。 商品力の絶対的な差別化にはならなそうです。
幸い利益率の高いCX-5が好調なので、今後のモデルでもいかにしてこれを続けていくかが課題ですね。