ちょうど一年前に冷蔵庫の買い換えについて考えたのですが、そこに重大な見落としがありました。
冷蔵庫の電気代が3倍?新JIS対応とは [生活家電] All About
実は、冷蔵庫・年間消費電力量には、その数値の信憑性に疑惑が持たれていたのです。この表示疑惑が持ち上がったのは昨年6月頃。最新機種の冷蔵庫を購入しても、電気代が思ったより安くならないと感じた人が、実際に消費電力量を測ったところ、カタログ表記より2~3倍の数値を示したのがはじまりでした。そんなことから「冷蔵庫カタログ表記の年間消費電力量は、実態とはかけ離れているぞ」という疑惑が浮上したのです。(中略)
それはJIS(日本工業規格)に原因がありました。カタログ表記はきちんと、JISにそった試験により測定した数字が掲載されていたのですが、このJISの試験方法が、実生活に即した測定方法ではなかったのです。これでは、何の役にも立ちません。この様な試験方法であるJISの問題は大きいと指摘されました。また一方で、虚偽の表示をしていた訳ではないのですが、それを知っているにも関わらず、消費者に対し「節電です!省エネです!」とPRしていたメーカー・販売店などの姿勢も問題になりました。
このような実態が明るみにでたことで、全国の消費者団体はじめ自治体も問題を重視し、それ以後、電気代に換算する表示や、省エネラベルの表示を控えるようになっていったのが、昨年(2005年)の動きでした。
我が家の冷蔵庫(R-SF44RPAM)を購入したのは、2002年の冬ですから、もちろん旧規格で測定されています。
とすると、R-SF44RPAMの330kWhという年間消費電力量と、最新の冷蔵庫の数値を直接比べてはダメなのですね。
前回は「買い替えても30%しか下がらない」というのが結論でしたが、もっと大きな差になる可能性があります。
新旧を比較すると、周囲温度も夏・冬を想定し、設置条件も両脇30cmなどと言う実際にはあり得ない条件から、実情に近い50mmとなり、庫内にもモノを入れ、製氷機も作動させるなど、かなり実生活に即した条件での測定が行われるようになったと感じます。これなら、実際の生活で消費する電力量と大きな差がなくなり、カタログ表記も信憑性がでてきますね。
この手の話は、クルマのモード燃費と実燃費の乖離と同じです。
年間330kWhなので、電気代は7,963円になります(24.13円/kWhで計算)。 もし実際には3倍だとしたら、23,889円です。
小寺信良のEnergy Future(9):日本のエネルギーは今後どうなる - @IT MONOist
一方家庭においては、在宅・非在宅別の需要カーブが興味深い(図9)。分かりやすい方でまず非在宅世帯から見ていくと、これはもうほとんど冷蔵庫が一定の電気を食っているだけだろう。ただ冷蔵庫もないと困るものであり、これ以上の節電は見込めない。非在宅世帯ではあまりできることはないようだ。
在宅世帯の場合では、空調に最も多くの電力を使っていることが分かる。それに冷蔵庫の一定量が乗るという格好だ。照明は夜になればそれなりに増えるものの、日中は業務部門のようには多くない。家庭では昼間は太陽による採光で十分まかなえていることが分かる。(中略)
ここまで見てきたデータは夏の電力消費であり、暑い部屋を冷やすためにはエアコンぐらいしか手段がないことから、どうしても相対的にエアコンがやり玉に挙がることになる。しかし冬場に暖を取るものはエアコンだけでなく、ガス、灯油など別の手段も多くあることから、空調設備が大きな負担となるようには思えない。
このグラフだと夏に180Whくらい使っている感じです。 冬は少なくなるのを考慮しても、年間1,025kWhくらいかな。 そうすると24,733円になりますね。
新JISでの計測値が、実際の消費電力量に等しいかどうかは分かりません。 おそらく3倍の誤差が2倍に収まる程度ではないかと思います。
日立のR-SF48BMだと200kWh(前モデルのR-SF48AMに比べて30kWhダウン!)ですが、倍でも9,652円ですから、電気代が15,081円安くなることになります。
日本電気工業会(JEMA)は「2001年の冷蔵庫に比べて、2011年のは65%省エネ」と言っていますから、だいたいそんなところではないでしょうか?
ただ問題は、今の冷蔵庫は気に入っているので、テレビ以上に買い替えは難しいですね。