“5”でiPhoneに翳りが見えた? 日本勢のラストチャンスはあるのか|スマートフォンの理想と現実|ダイヤモンド・オンライン
これまでのジョブズは、多くが「新しい端末やサービスの登場で、あなたの生活がこう変わる」というメッセージを意識したプレゼンだった。しかし今回のアップルの説明は「CPUがすごい、電池の保ちがいい、LTE対応で高速」というものである。(中略)
仮にそうだとすると、おそらくアップルもそのあたりを分かって、今回のプレゼンテーションを構成したのではないか、とも思えてくる。よく言えばiPhone5は従来の正常進化版であり、それをメッセージとして伝えるにはスペックを提示するのが一番。一方iPhoneが提示する世界観はもはや普遍のものとなったこともあり、メッセージとして伝えられることがなくなりつつあるのではないか、ということだ。
そうだとしたら、Appleの株を持っている人は、次期iPadが出たあたりで売り抜けた方がよかったりして。
自分たちでハードルを上げた結果とはいえ、常に新しい提案を期待されるというのはしんどいものだろうと思います。
オーバースペック、買い替えサイクルの長期化、過剰流動性への自覚――こうしたフィードバックに入っていくと、その製品群が持つライフサイクルは、すでに折り返し地点を越えたことになる。つまるところ、iPhoneというコンセプトの、陳腐化である。(中略)なにしろアップルが採るであろう戦略も、概ね見えている。かつてのフィーチャーフォン(あるいはかつてのマッキントッシュ)の轍を踏まないよう、今後はハイエンド市場を意識した展開を進めるだろう。ハードメーカーとしてのアップルには、「自分たちにとって最も心地よい顧客と市場シェアの規模」が存在する。彼らもそれはよく分かっているはずで、今後はそこに向けて調整をかけていくだろう。
日本市場でいえば、価格競争を仕掛けているのはむしろiPhoneの方で、今度のiPhone5も早くも2年契約で端末ゼロ円という話です。
初代iPhoneが出た時も売れなくて、ソフトバンクが端末ゼロ円にしてから売れ始めたんですよね。
もちろん単一機種であの生産量ですから生産コストが安いですし、キャリアもインセンティブを出しているんでしょう。 Appleは端末でもちゃんと利益を上げていると思います。