やっと動き始めたフィリピン自動車市場:日経ビジネスオンライン
同国で強かったのが、前身のクライスラー・フィリピンから49年間の歴史を持つ三菱自である。アジア通貨危機直後までは市場のトップブランドであり、販売台数過去最高を記録した1996年には市場シェア22.5%を占有していた。しかし、88年の参入から着実に追い上げを続けてきたトヨタが99年から販売トップに立つ。そして2003年の「ヴィオス」投入により市場シェアを約30%まで上げ、トップの座を確実にした。
近年、軒並み日系メーカーの市場シェアが低下傾向にある中、三菱自が再び追い上げ始めた。直近5年間で市場シェアを7%増加させた。2011年においては第1位であるトヨタの市場シェア33%に次ぐ第2位の19%まで回復。(中略)
しかし、着実に市場シェアを伸ばしてきた日系メーカーにとって脅威となりつつあるのが、韓国の現代自動車だ。近年急成長を遂げ、市場シェアは現在第3位の12%、グループ会社である起亜自動車を含めると15%までを占める。第4位のホンダ7%、第5位いすゞ6%、第6位日産5%へ大きく差をつける規模まで成長している。
フィリピンは英語は通じるし、クルマ社会になって長いのだけど、ビジネスとしては大きくならないね。
やっぱり現地生産が盛り上がらないと、メーカーとしても力の入れ具合が違うからね。
そんなフィリピン新車市場だが、タイやインドネシアのように自動車メーカーからの生産投資を呼び込めていないため、依然として完成車輸入主体の市場となっている。2010年の新車販売のうち、輸入は半数以上の58%を占める。
トヨタ、三菱自などの日系メーカーは完成車輸入に加え、SKDやCKDなどの現地組立事業に取り組んでいる。一方、現代グループは現地生産や組立などは一切行わず、完成車輸入による新車販売を行っている。現地生産・組立に対する税制面でのメリットが少ないことが、フィリピン国内での自動車産業発展に対する障壁となっている。
また、各メーカーに共通しているのは域内の輸出拠点からの調達が完成車輸入の大半を占めていることだ。主にアセアン地域からはタイとインドネシア、現代グループが韓国、そして日本勢が日本から輸出している。各メーカーとも、CEPTやアセアン-韓国FTAなどを活用し、低関税での完成車輸入を実現している。
フィリピンは労働組合が結構強くて、トヨタもホンダも苦労したみたい。 それと治安が悪いのもマイナスだったね。