「イノベーティブな製品」の定義

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戦略のイノベーション(その1) なぜ「思いつかなかった」のか?|楠木建の週刊10倍ツイート| DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー |ダイヤモンド・オンライン

世界初の量産電気自動車である日産のリーフは挑戦的な商品だ。こういうものを思い切って市場化した日産は偉い。しかし、現状では1回バッテリーを充電したときの航続距離が物足りないという人が多いようだ。だからより航続距離が長い電気自動車を開発する必要がある。一定のコストで量産できるという前提で、電気自動車の航続距離をガソリン車並みにするためには、いくつもの技術進歩が必要になる。しかしこれは難しい。つまり、「できるかできないか」の問題であり、そうした難しい問題を克服して「できた」ときに、それは世の中に技術進歩として登場する。
 
これに対してイノベーションは、「できるかできないか」よりも「思いつくかつかないか」の問題であることが多い。難しいからできないのではなく、それまで誰も思いついていないだけなのだ。だから、「『なぜこれが今までなかったんだろう』。これがイノベーションに対する最大の賛辞である」とドラッカーは言う。社会にインパクトをもたらし、人々の生活を変えるようなイノベーションほど、「言われてみれば当たり前」という面がある。

もしそうなら、iPodもiPhoneも「イノベーティブな製品」とは言えませんね。
ボタンの代わりにタッチパネルを持った、角が丸くて薄くて四角い携帯電話なんて、昔からPDAに慣れ親しんだ人なら一度は考えることだからです。
固定的な機能ではなく、アプリケーションで拡張できることだって同じです。

もちろんiPhoneの優れたところは、単なるハードウェアやソフト構造に起因するものではありません。

こうした企業がなぜ戦略のイノベーションを実現できたのか。いずれの戦略ストーリーにも、とりたてて難しい構成要素(たとえば、非常に高度な技術)が含まれていたわけではない。「やろうと思えばできること」ばかりで構成された戦略だ。それまで「やろうと思っていたけれども難しくてできなかった」という類のものではない。誰も「思いつかなかった」のである。当たり前の話だが、誰もが思いつかなかったからこそ、その戦略はイノベーションになり得たのだ。

「思いついても実現するのが面倒だった」とか「やることに利益があるとは考えられなかった」というべきじゃないのかな。

ありふれた技術要素を上手に統合して新しい(普遍的な)価値を生み出すのが、Appleの賞賛されるべき手腕です。 そのような統合能力というのは、イノベーティブなのかプログレッシブというべきなのか、よく分かりませんね。