日産がEV「リーフ」を一部改良、ヒートポンプの採用で暖房時の航続距離延ばす - クルマ - Tech-On!
日産自動車は2012年11月20日、電気自動車(EV)「リーフ」を一部改良して発売した(図1)。新しく廉価版のSグレードを追加し、価格は334万9500円から。従来は376万4250円からだった。実用上の航続距離を延ばすため、暖房を使うときの電力消費量を大きく減らした。さらにカーナビの機能を高めて、電池切れに対する不安の解消に努めた。
日産は2010年12月にリーフを発売して以来、2012年10月半ば時点で約4万台を売った。2012年末で6万台とした目標の達成は難しい状況だが、世界で初めての本格的な量産EVであり、上々の販売台数とも言える。
6万台というのは全世界での台数だよね。
「i-MIEV」を含めた既存車のコンバートEVじゃなく、専用ボディを持った量販車としては、期待された台数ではないでしょうが、それでも頑張った方だと思いますよ。
電気自動車市場の「踊り場感」脱出なるか!? 日産「リーフ」マイナーチェンジへの期待|エコカー大戦争!|ダイヤモンド・オンライン
配布された資料では、リーフの同年10月15日時点での販売実績は約4万台。そのうち、アメリカが約1万5000台、欧州が約6000台だ。また、世界市場でのEV販売シェア(2012年8月末時点)では同車が52%を占める。つまり、EV世界市場全体は約7万7000台である。
また同社広報部によると、「リーフ」の計画販売台数は、2011年度(4月~3月期)が2万台、2012年度(同)が4万台。合計で6万台だ。計画達成のためには、今回発表の販売実績約4万台に対して、2012年度末までの5ヵ月でプラス約2万台が必要だ。
でも最大の欠点である「デザイン」に手を加えられなかったのは残念ですね。
日産としても、今回の改良でリーフの販売が急に持ち直すとは思っていないでしょう。
元の記事に戻って、
今回、ヒートポンプ式の冷暖房システムやシートヒータを採用し、暖房を使うときの消費電力を大きく減らした。ヒートポンプは車外の熱を冷媒を介して回収し、断熱圧縮して高温にした後で車内の空気を暖かくするもの。圧縮に電力を使うが外の熱を使えるので、消費電力を小さくできる。
加えてシートヒータやステアリングヒータを標準で設定する。乗員の体を直接暖められる。空気を暖めて体に熱を伝えるヒートポンプやPTCヒータを使うより効率よく体感温度を高められる。
なんで最初からヒートポンプじゃなかったのか、そちらの方が疑問ですけどね。
EV「リーフ」の航続距離を228kmに、モータの効率高めて80kg軽く - クルマ - Tech-On!
モータの最大トルクを従来の280N・mから254N・mに下げる代わりに、実用域の効率を上げた(図1)。モータは永久磁石式3相同期モータで同じだが、固定子の歯の寸法やコイルの巻き数などを変えている。
車両重量を、約80kg軽くして1440kgにした。例えば電池ケースの質量を減らした(図2)。電池モジュールを束ねるボルトの数を減らし、ブラケットのムダな肉をなくした。電池モジュールの外装も軽くした。
加えて、モータとインバータを直接つなぎ、従来は間にあったブラケットをなくしたことも軽くするのに寄与した。ブラケットは、モータの振動がその上のインバータやDC-DCコンバータなどに伝わり増幅するのを防ぐのに置いていた。(中略)
さらに摩擦ブレーキと回生ブレーキの二つをともに使う協調回生ブレーキで、回生ブレーキを使う領域を従来の7km/h以上から3km/h以上にした。回生する電力量を増やせる。これも航続距離の延長に寄与する。
軽くしたおかげで、モーターをデチューンしても加速は変わらないでしょう。
回生効率はリーフの弱点らしかったですが、フィットEV並になったのかな?
日産、ジスプロシウムを40%削減したEV用モーターを開発 | レスポンス
日産自動車は、レアアースの一つであるジスプロシウム(元素記号:Dy)を従来より40%削減した電気自動車(EV)用モーターをマイナーチェンジした『日産リーフ』に搭載すると発表した。
EVなどの電動車両用モーターには、小型化および高性能化に必要な高い磁力を発揮できるNd-Fe-B磁石(ネオジム磁石)を使用しており、ジスプロシウムはネオジム磁石の耐熱性を高めるために添加されている。これまでは、ネオジム磁石全体にジスプロシウムが均一に分布されるよう添加していたが、今回、レアアースマグネットのサプライヤーとの共同開発で、粒界拡散技術を採用し、従来と同等の耐熱性を確保しながらジスプロシウムの使用量を40%削減することが可能となった。
ネオジム磁石の耐熱性を高めるためには、磁石の結晶粒界(結晶の境目)にジスプロシウムを分布させることが効果的で、粒界拡散とはその特性に着目した技術。同社は、新設計のEV用モーターに粒界拡散技術を適用させ、日産リーフの高い動力性能を実現している。
「脱レアアース依存」ですね。 トルク低下との関係はあるのかな?