国土交通省、三菱自に厳重注意 同じ部分を4回リコール

朝日新聞デジタル:三菱自が176万台リコール 国内最多、同じ部分計4回

三菱自動車は19日、過去に届け出たリコール(回収・無償修理)が不十分だったとして軽自動車8車種、計121万台のリコールを届け出た。同じエンジンの同じ部分へのリコールは4回目で、一連の対象は10車種計176万台と国内で過去最多になった。
 
国土交通省は、リコールに消極的で、同省への報告もずさんだったとして三菱自を厳重注意。近く道路運送車両法に基づき立ち入り検査するとともに、一連の問題に対する改善策を来年3月末までに報告するよう求めた。同省のこうした対応は異例。(中略)
 
三菱自は、同様の不具合情報を05年に入手。08年に社内の「市場措置検討会」で、事故や火災がないことを理由にいったん「リコールは不要」と結論付けた。不具合を知ってリコールを求める国交省の指導にすぐには従わず、10年になって約25万台分だけリコールした。国交省は、リコールの理由が不明確で範囲も不十分だとして追加調査を指示。三菱自は今年1、3月、対象の製造時期を広げて追加リコールした。

事故で死傷者を出し、社長経験者の逮捕にまで至ったにも関わらず、まだこういうことをやっているなんて、骨の髄まで染み込んだ会社の体質というのは変えられないものなんでしょうね。

リコール費用については、ある程度は引当金を積んでいるものですが、ここまで対象台数が多いと業績への影響は避けられません。

今回のリコールに伴う費用を三菱自は1台あたり8千~1万6千円、総額で約75億円にのぼると見込んでおり、費用は2013年3月期決算で営業費用として計上する方針。純利益見通しが130億円の三菱自にとって負担は大きい。
 
「(過去のリコール隠しの)反省が生かせていなかった」。三菱自の大道正夫常務執行役員は19日、報道陣にそう語った。
 
追加で届け出たリコールの対象車は、eKワゴンやミニカなど軽の8車種の約121万台。過去3回のリコールとあわせると、日産自動車にOEM(相手先ブランドによる生産)供給した車種を含めた10車種、計約176万台にのぼる。11月にトヨタ自動車が届け出た乗用車のリコール(約152万台)を上回り、過去最多の規模だ。内部通報制度が機能した面はあるが、不具合の原因を早期に特定できなかった対応の悪さが浮き彫りになった。
 
三菱自の2012年度の世界販売台数の見通しは104万台。その1.7倍にあたる大規模リコールで、世界で年間1千万台弱を販売するトヨタより企業規模が小さい三菱自にとって、経営に及ぼす影響は小さくない。

「内部通報制度が機能した」って、それがなかったら表沙汰にならなかったのかな?

三菱自は、このオイル漏れを2005年に初めて把握した。00年と04年の2度のリコール隠しの反省から、社内に品質管理の専門部門を立ち上げており、部長級の約15人がリコールが必要かどうかを検討した。
 
しかし、08年1月の会議では、まだ原因が特定されていないのに「事故やけが、火災がなく安全上に問題はない」「不具合発生のペースは緩やかになっており、収束傾向にある」などと理屈をつけてリコールを避けた。
 
見送りを知った国交省がリコールするよう09年に指導したが、三菱自は法令上の届け出や回収の報告が義務づけられるリコールではなく、安全にかかわらない部品を交換するサービスキャンペーンにしたいと提案した。国交省に退けられ、ようやく10年11月に最初のリコールを25万台分届け出た。
 
その後もリコールを渋る姿勢は変わらなかった。最初のリコールでは、把握した不具合が03~05年の製造分に集中しており、この間、オイルシールをはめ込む部分を滑らかに加工していたことを理由に、摩擦力の低下だけが原因と結論づけていた。国交省にほかの期間も調べるよう指示され、前後で計3年分の不具合が新たにわかり、30万台分の追加リコールを届け出た。この間、社内ではリコールが不十分だとの内部通報もあり、最終的なリコール対象は176万台にふくらんだ。

今は「疑わしきはリコール」するメーカーがほとんどなんですがねぇ。
軽で合弁を組んだ日産も頭が痛いでしょうね。