マルキオンネCEOの野望を阻む、フィアットの業績悪化

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米クライスラー完全子会社化遠のく フィアット、財務状態悪化  :日本経済新聞

クライスラーは09年の法的整理を経て現在フィアット傘下で経営再建を進めている。フィアットのクライスラーに対する出資比率は58.5%で、残りの41.5%は全米自動車労組系の医療保険基金(VEBA)が保有。VEBAはフィアットに対してクライスラー株の買い取りを要請していた。
 
マルキオーネ氏の発言の背景には、フィアットの財務状態の悪化がある。30日発表した同社の12年12月期の純利益(少数株主分除く)は、前年同期比74%減の3億4800万ユーロ(約430億円)。同期末の負債(販売金融分を除く)は1年間で10億ユーロ増え65億ユーロに拡大。12年12月期は欧州事業が新車販売の不振で7億ユーロの営業赤字となったほか、経営再建のための設備投資なども重荷となっている。今期は負債が70億ユーロに達する見通しだ。
 
11年にクライスラーを子会社化した効果で、フィアットグループの12年の世界販売台数は11年比で3割増の420万9千台、売上高は4割伸びた。クライスラーを核とする米国事業はグループの売上高の5割、営業利益で7割を占め、経営の屋台骨だ。完全子会社化によってクライスラーの利益を囲い込み、グループの成長戦略に投資するというのがマルキオーネCEOの思惑だった。

リーマン・ショックを利用して、クライスラーをタダ同然で手に入れたマルキオンネCEOですが、クライスラーとの統合は時間との戦いでもありました。

北米市場の活況でクライスラーが浮かびつつあるのに対し、フィアットは欧州市場の崩壊に飲み込まれつつあります。 欧州での生産集約を図ろうにも、政治の横槍で立ち往生しています。

かといってせっかく手に入れたクライスラー株を売り払ってしまっては、次の成長戦略が描けません。
次の一手はどうするんでしょうかね? 円安ユーロ高を利用して、マツダ株でも買う?