ホンダ、来期担う北米3兄弟の走破力 :記者の目 :企業 :マーケット :日本経済新聞
10~12月期の営業利益は3倍近い1319億円となった。タイ洪水の反動で、北米や東南アジアを中心に新車販売が伸びた。販売台数の増加で812億円、コスト削減で322億円、為替の円高修正で125億円の増益要因がそれぞれ発生し、利益を押し上げた。誤算は円高修正があまりに急だったことだ。12月末の実勢レートで、それ以前の為替予約を時価評価したところ530億円もの評価損が生じ、営業利益に比べて純利益の伸びは小さくなった。
一ヶ月で10円も動くなんて、そうそうあることじゃないですから致し方ない面はあるんですが、530億円は大きいですね。
4Qはどうなるんでしょうか?
1~3月期の予想営業利益は前年同期比横ばいの1111億円。想定為替レートを1ドル=85円(10~12月期実績は1ドル=81円)へと変え、世界販売も増えるにもかかわらず、数字は控えめだ。利益の回復力が失われたかのようにも見える。記者会見でこの点を問うと、池史彦専務は「(季節要因で)10~12月期とは販管費の段差が400億~500億円ある。研究開発(R&D)も加速している」と述べ、1~3月期の予想営業利益が実力値より低いと認めた。記者会見後、改めて「(四半期営業利益の)実力値は1700億~1800億円か」と問うと、「そこまではいっていない」との答えがかえってきた。アナリストの中には実力値を1600億円とみる人もいる。10年7月末、近藤広一ホンダ副社長(当時)は同様の議論になったとき「1ドル=90円で1300億~1500億円というところだろう」との認識を示したことがある。直近の実力値について現経営陣から明確な数字は得られていないが、新型車の投入やコスト削減努力の結果、少なくとも1ドル=85円前提でも四半期で1500億円前後の営業利益が出る体質になっているとはいえそうだ。
この数字は14年3月期の業績を占う上で参考になる。来期の世界販売計画が13年暦年(440万台)と大きく変わらないならば、13年1~3月期の世界販売計画(107万9000台)はそのほぼ4分の1。仮に年間の為替レートが1ドル=85円でも、14年3月期通期の営業利益は今期の会社予想(5200億円)に比べ15%増の6000億円前後となる。為替感応度を考慮すると、1ドル=90円であれば7000億円に迫ってもおかしくない。1日現在、QUICKコンセンサスの14年3月期の予想営業利益は8000億円強とさらに上にあり、ホンダの収益力が今後も上がっていくという期待の大きさを映している。
その根拠がアコード、シビック、CR-Vの3兄弟だという記事なんですが、むしろフィット3兄弟の方が影響が大きいと思うんですけどね。