NECと日産が出資し、リーフ向けに電池を供給するオートモーティブエナジーサプライ(AESC)は、約1000億円を投じ年産でEV約9万台分の生産体制を整えた。ところが、2012年のリーフの販売は世界で約2万7000台と、計画の3分の1足らず。先月には、AESCがソニーの電池部門の株式を取得したうえで、政府系ファンドの産業革新機構から出資を受けるという報道もあった。ソニーの経営不振という側面が大きそうだが、AESCに余裕がないのも確かだろう。
GSユアサと三菱商事、三菱自動車が出資するリチウムエナジージャパンも同様だ。アイ・ミーブ向けを中心に2012年、約6万8000台分の年産体制を整えたが、稼働率は低迷している。(中略)
リチウムイオン電池は、日本の将来を背負う主力産業の1つと期待されている。小型でのシェア低下は避けられないが、EV向けはリードを保っていけそうな分野だ。だが、EV市場の勃興までに、電池メーカーが持ちこたえられなくなる恐れもある。
経済産業省はEVなどの価格低下を自動車メーカーに促す新しい購入補助の仕組みを検討している。EV向け電池の開発、生産基盤を弱体化させないためにも、さらなる需要喚起策や充電スタンドの整備などを国を挙げて進めることが急務だ。
それぞれの企業が自社の発展のために投資判断したものに対して、いつから国が救済しなければならなくなったのかな? モラルハザードも甚だしいね。
もし日産や三菱自など自動車メーカーがそのキャパシティを要求したのだとしたら、最低数量の引き受けを契約に盛り込むべきだったんでしょうね。