ゴーンCEO氏に迫る「任期の崖」

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揺れるルノー再建、剛腕CEOゴーン氏に大きな試練  :日本経済新聞

政権との不協和音は1月中旬にルノーが発表した仏国内のリストラ策が発端だ。ルノーは仏国内の従業員7500人を減らし、賃金上昇を抑制するリストラ策を労組に提示した。主要労組の幹部は「ルノーより多く報酬を得ている日産の経営に力を入れている」とゴーン氏の経営手法を公然と批判。政権も労組に同調した格好だ。(中略)
 
しかしゴーン氏は政府のご機嫌を取っているわけにはいかない。ルノーの業績が急速に悪化しているからだ。12年12月期の最終利益は前の期比で15%減にとどまった。だがこれはスウェーデン商用車大手ボルボの株売却益9億ユーロや、日産からの12億ユーロ強の配当収入で作り上げた数字。本業の自動車部門は2500万ユーロの営業赤字に転落した。(中略)
 
ゴーン氏が05年にルノーCEOになって打ち出した中期経営計画「コミットメント2009」は、新車攻勢で年250万台から80万台の増販とコスト削減の両立を狙ったが、労働負荷の高まりを訴える労組の反発や金融危機で頓挫。11年に新たに策定した中計では13年に世界販売台数を300万台とする前回の反省を踏まえた緩やかな成長戦略に修正した。12年は255万台でこの10年間ほとんど伸びていない。
 
一方で日産の販売台数は今や年500万台に迫る。

もう日産は十分に自分たちの足で歩いていけるんじゃないでしょうかね? いつまでルノーに利益を吸い上げられなければならないのでしょうか?

問題は最悪のタイミングで、ゴーンCEOの任期切れがやってくることです。

むろん、政府の要求を突っぱねることもできる。ただ、ゴーン氏が悩ましいのは、ルノーCEOとしての任期が来年春に切れることにある。日産の取締役の任期も今年6月で切れる。「株主が決めることだ」とゴーン氏は人事に関する発言では常に正論を貫くが、この正論がやっかいだ。ゴーン氏の生殺与奪の権は、筆頭株主の政府の意向が左右するためだ。
 
政府の顔色をうかがうあまり、リストラがおろそかになり業績が悪化すれば、追加の資産売却を迫られる可能性がある。今のルノーに残る有望資産は日産株ぐらい。ルノー再建原資として手を付けられると、ゴーン氏が10年強かけて築き上げた日欧自動車連合の骨格が崩れかねない事態だ。

ゴーンは既に日産の「天皇」なので、日産の株式総会では続投が可決されるんじゃないでしょうか。 日本人は義理堅いというか、恩を忘れないですからね。
ただルノーの方はきついかもしれませんね。