差動合成(LPF)用のオペアンプというのは、I/V変換以上に向き不向きがあるように思います。
今のところDAC7用では、TL072を超えるオペアンプには出会えていません。
LT1028ACN(1回路)も試しましたがダメでしたね。 1個50円のTL072に、千円以上するオペアンプが束になっても敵わないというのは実に面白いです。
TL072の長所は、ストレートで開放感のある鳴りっぷりです。 逆に短所は聴感上のS/Nが悪い(ノイジー)ことと、長所の裏返しで荒っぽさを感じさせるところですね。
TL072系統で、もっとノイズが少ないオペアンプはないのでしょうか?
TL072の改良型と言われているオペアンプとしては、LF412CNやAD712JNなどが相当するようです。
AD712JNについては手持ちがあったので試してみましたが、あまり芳しい結果ではありませんでした。 音に関しては、TL072との類似点はほとんどありません。
昔からオーディオでは「JRC4558はNE5532へ、TL072はLF412に置き換えるとよい」という言い伝え(?)があるそうなので、LF412CNには期待できるかもしれません。
あとJRCのNJM072Dが、4個で200円だったので買ってみました。 ただあまり良い評価ではないようです。 JRCは5532でも本家に遠く及ばなかったもんなぁ。
まずNJM072Dから聴いてみます。 I/V変換はOPA2211AIDです。
期待が大きくなかったぶん、そんなに悪くはないですね。 日本的にこじんまりまとまっているというか。
でも丸くなって荒々しさが抑えられたぶん、ヌケも悪くなってしまうのが残念です。
次にLF412CN。 こちらは期待が大きかったのですが、やはりTL072とは違うものですね。
特性などはTL072を上回っているんでしょうが。
こうなれば、本家テキサス・インスツルメンツ(TI)に期待するしかないでしょう。
まずTL072の選別品であるTL072BCP。 ついでにTL082BCPも。 ACPという奴もあるんですが、どこまで音が違うのか不明なのでBCPにしました。 OPA627BPと同じく「B」の方が上です。
あとTLE2072ACPというのもTL072の代替品という位置づけのようです。
TI製ではありませんが、ルネサス(旧NEC)のuPC812C-AもTL072の系統らしいので一緒に注文しました。
これでダメなら本当にディスクリートしかないのかもしれません。
ところで写真に写っている3つ目のオペアンプは、NSのLM4562NAでした。
これはI/V変換用として買ったのですが、あんまり期待していませんでした。 1個250円と安かったからついでに買っただけです。
ところが聴いてみたら、すごくエネルギッシュなサウンドでびっくりしました。 ここまで元気なサウンドは貴重ではないでしょうか。 TL072相手では耳に刺さって痛いほどです。
試しにLPFにLF412CN(こちらも1個100円)を組み合わせてみたら丁度いい塩梅になりました。 合計600円でここまで鳴ってくれたら、コストパフォーマンスは抜群ですね!
こういう楽しさがあるから、オペアンプ遊びは止められないです。