東電、発送電分離の尖兵となり、「電力村」で孤立

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漂流東電、「電力村」で孤立 戻らぬ自民との蜜月  :日本経済新聞

福島第1原子力発電所事故の処理で資金繰りが厳しい東電が火力発電所の入札を実施し、中部電が応じたこの案件。最初は東電支援のつもりでパートナーに名乗りをあげた中部電だが、やり取りを重ねるうちに東電への不信感が募っていく。
 
東電はできるだけ多くの電力を確保したいと主張する一方で、800億円前後もかかる建設費用の大半を中部電に負担させようとしていたのだ。
 
「あまりにも身勝手だ」と憤る中部電。電気の上限価格が1キロワット時あたり9円53銭という採算割れすれすれの入札条件で、そもそも東電に協力するうまみは少ない。そこで、中部電は建設費を負担する代わりに、この発電所の電力の何割かを引き取って「首都圏で顧客に直接売りたい」と訴えた。
 
これにも東電は難色を示す。だが、中部電が離れれば、電源不足に陥る懸念も出てくる。最終的には発電した分の7割を東電、3割を中部電が引き取ることで合意し、中部電は首都圏進出の道筋をつけた。東電は火力の建設費を浮かすことはできたが、その代償として中部電を敵に回すことになった。

カネがないのは、クビがないのと一緒やな。

国有化で、他の電力会社からも仲間はずれにされているようです。

発送電分離に道筋をつける電力システム改革への対応を巡る協議では、東電はほぼはずされていたという。電事連は発送電分離に反対しているが、東電は今や逆の立場になっているからだ。
 
公的資金の注入と引き換えに、東電が政府に約束したのは、当時の会長、勝俣恒久ら経営陣の退陣や追加リストラだけではない。自らが「電力改革の先兵」となることものんだ。持ち株会社化を視野に「火力・燃料」「送配電」「小売り」の社内カンパニー制を4月に導入、発送電分離を先取りする姿で組織を変えようとしている。
 
「昔の東電がいた頃なら、もうちょっとうまくやれたかもしれない、という嘆き節が至るところで聞こえてきた」。電力システム改革を巡る政府とのやりとりについて、ある電力大手幹部はぼやく。電事連は東電に代わって関西電力が率いることになったが、政治力はかつての東電に見劣りする。電力システム改革は4月に閣議決定し、電事連は敗北した。
 
ある東電元副社長は「電事連=東電だった。『永田町のどこを押せばいいか』を豊富な経験で知っていたし、政策や規制の立案も東電の社員が手伝っていた」と指摘する。多くの政治家が東電労使の集票力を頼った。東電は企業献金をやめた後も、役員個人が自民党への献金を欠かさなかった。

他の電力会社からすれば、東電が原発事故を起こしたおかげで自分たちまで原発停止で痛手を被っているのに、発送電分離では裏切りやがってという感じなのかもしれませんね。

ただ東電としても、なんとか生き残ろうと必死のようです。

昨年の総特を巡っては、資本注入や値上げ、原発再稼働が再建3点セットと呼ばれていたが、1年もたたないうちに計画は大きく狂っている。資本注入は予定通り実行されたが、値上げ幅は圧縮、再稼働は議論が進んでいない。この計画は今年4月から柏崎刈羽原発(新潟県)が順次稼動することを前提にしており、もはや現実とずれてしまっている。金融機関などに約束した黒字化のめどはまったくたっていない。
 
そうなれば、早晩、金融機関などの間で再び東電の再建への疑念が高まっていく。
 
下河辺は最近、「2013年度が正念場だとみんな知っている」と漏らしている。いつも温厚な顔つきが、このときばかりは険しくなるという。

まず間違いなく、電気料金の再値上げは不可避でしょう。
でも経営が苦しいから原発再稼働というのは違うと思います。
むしろ電力会社の先頭を切って「原発からの撤退」宣言した方が、消費者からの理解が得やすいのではないかと思いますけどね。