電力自由化しても原発は総括原価方式を維持?

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原発の電気価格保証 自由化に備え経産省が支援案  :日本経済新聞

経産省が提示したのは、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」に似た仕組みだ。まず政府が電力会社が原発で発電した電気に基準価格を決めておく。電力会社が新電力など小売事業者に市場で電気を売る値段が基準価格を下回った場合、差額を電気料金へ上乗せすることを認める。
 
基準価格には、使用済みの核燃料の処理や廃炉など原発を動かした後に発生するコストも含める。英国が導入を決めている。
 
電力会社は2016年以降の電力自由化で、発電部門と送配電部門の分離がすすむと、原発の維持が難しいと訴えている。売電価格を固定することで電力会社の収入は保証できる。
 
経産省の検討の背景には、原発の電気を安いといえなくなってきた事情もある。11年の政府の試算では、新設した原発による電気の発電コストは1キロワット時あたり8.9円以上で、石炭やLNG火力の10円台に比べて一定の優位性がある。
 
政府の試算後の昨年7月から原発の安全基準は大幅に厳しくなり、原発の安全投資にかかるコストは上がった。電力9社の安全投資は計2.2兆円超になり、さらに膨らみそう。試算は廃炉費用も含むが、実際の廃炉コストはさらにかさむ。

原発の発電コストがより正確に見える形になるのはいいですが、事故が起きたときの賠償金の積立もコストに含めてほしいですね。

で、原発の発電コストは今どれくらいと考えられているかというと、

原発コストは火力より割高に 専門家が試算、発表へ:朝日新聞デジタル

運転を止めている全国の原子力発電所が2015年に再稼働し、稼働40年で廃炉にする場合、原発の発電コストは11・4円(1キロワット時あたり)となり、10円台の火力発電より割高となることが、専門家の分析でわかった。東京電力福島第一原発の事故対策費が膨らんでいるためだ。政府は原発を再稼働する方針だが、「コストが安い」という理屈は崩れつつある。
 
電力会社の経営分析で著名な立命館大学の大島堅一教授と、賠償や除染の調査で知られる大阪市立大学の除本理史(よけもとまさふみ)教授が分析した。近く専門誌に発表する。
 
両教授が、政府や東電などの最新資料を分析したところ、福島第一原発の事故対策費は約11兆1千億円に達した。政府が昨年12月に示した「11兆円超」という見積もりを裏付けた。

総括原価方式をとるよりも、政府が出口戦略(廃炉費用の償却変更、原発の国策会社への分離など)を描いてくれたら、電力会社はすぐ乗ると思いますけどね。