御嶽山噴火 生還者の証言

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「頑張れ、頑張れ」心臓マッサージ実らず 友人残し無念の下山…御嶽山噴火 (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

茨城県ひたちなか市の○○○○さん(35)は、心臓が止まった友人を、やむなく山に残してきた。噴火時、山頂付近で突然、空が真っ暗になったという。同行の友人のうち、大学時代の後輩女性(35)が倒れ、意識がなくなった。噴石が当たった脚が不自然に折れ曲がり、大量出血していた。
 
山小屋は見えていたが、運べなかった。止血し、心臓マッサージしながら「頑張れ」と必死に繰り返したが、鼓動が止まってしまったのが分かった。悲痛な思いで女性を残し、下山した。

個人名は伏せ字にしました。

別の登山ガイドの女性。

御嶽山噴火 「ドカン」巨石の雨 軽トラ大…「もうダメだ」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

午前11時40分ごろ山頂に到達し、火口を回る「おはち巡り」をしていたところ、突然「ドカン」と大きな音がした。驚いて音がした方向を見ると、石を空中に飛ばしながら、一気に煙が噴き出していた。まもなく強い硫黄臭が漂い、嘔吐(おうと)する登山客もいた。
 
火山灰とともに、周囲に直径1メートルぐらいの大きさの石が飛んできたため、急いで岩陰に隠れた。まもなく、もう一度「ドカン」という音が鳴り、今度は軽トラック大の石が飛んでくるようになった。巨大な石は地面にぶつかって割れ、破片が四方八方に飛び散った。黒い雨が降り始め、雷のような音も鳴ったという。灰はひざ上まで積もった。「もうダメだ」。そう思った。
 
噴火当時、山頂には50人ぐらいの登山客がおり、女性4人組のグループの1人は、飛んできた石が左足に当たり、骨折してパニックになっていた。「救助してあげたかったが、どうにもできなかった」
 
噴火の勢いが一時的に弱まったすきに、普段通らないルートをまっすぐ突っ切り、一目散に走って9合目にある石室山荘まで下りて助けを求めた。「もう、生きて帰れないと思ったけど、なんとか生還することができた」

噴石と火山性ガスで亡くなった方が多いのではないかと思います。 火砕流は南側に流れたそうなので、ルートが生死を分けた可能性もありますね。

「ドー」と噴煙、50センチの灰で埋まる 御嶽山頂上:朝日新聞デジタル

岐阜県御嵩(みたけ)町の会社員○○○○さん(62)は、山頂近くの湖畔で、仲間7人と昼食をとっていた。その瞬間、「ドー」と雷のような音がして、噴煙が立ち上った。何十人もが、押し寄せる灰にのみ込まれていく。「これはやばい」。岩場をひたすら走った。日差しが灰で遮られ、真っ暗に。目も鼻ものども痛く、息苦しい。眼鏡に灰が積もった。
 
夕方までに、頂上付近には火山灰が20センチほど積もっていた。長野県上松町の男性(75)は午後7時ごろ、山頂近くの神社に避難している甥(おい)と電話で話ができた。けがをしているらしく、しゃべるのもつらそうだった。「神社にいる5人はみんなけがをしている」と言った。
 
甥は妻と2人で登っていた。妻の様子について男性が尋ねると言った。「噴石が頭に当たったようだ。何度も呼びかけたが反応がなく、やむなくいったん彼女を残して、避難した」

何ともやりきれません。

「目の前で数人が灰に埋もれた」命拾いの女性証言:イザ!

異変が起こったのは、山頂の御嶽神社社務所近くで、昼食の弁当を食べていたときだった。「大きな爆発音がして灰が落ち始め、突然真っ暗になった」。
 
3人は急いで、社務所近くに避難したが、あっという間に、灰がひざの高さまで降り積もった。
 
「暗くて、自分がまるで埋まってしまったかのような感覚。もう駄目だと思いました」。メンバーの1人はこわばった表情で振り返った。
 
付近には大きな石が落下し始め、社務所の幅約50センチのひさしの下に2人がかがみ込み、体が入りきらなかった松戸市の女性(69)は抱えていたリュックを頭の上に載せて身をかがめた。ほかの登山客らと身を寄せ合った。
 
しばらくして、周囲を見渡すと、積もった灰のなかに体が埋まり、リュックや登山のステッキの一部だけが見えた。目の前で少なくとも3人が灰に埋まっていた。頭から血を流した男性が、「背中が痛い、痛い」と苦しみながら何度もつぶやいていたが、30分後に動かなくなった。

たとえこぶし大の大きさでも、噴石が当たった衝撃は絶命する威力があります。 逃げるのか、隠れるのか、判断が難しいところです。

御嶽山噴火:突然の衝撃、生きた心地せず - 毎日新聞

長野県の団体職員の男性(56)によると、灰や熱風から逃れるため、山頂の社務所にも登山客が逃げ込んだ。男性は社務所の外で3人ほどが火山灰に埋もれて動けなくなっているのを目撃した。その中には低学年の小学生のような姿もあったという。社務所内では同じく小学校低学年ぐらいの子を連れた男性登山客が、子供の友達の姿が見えないなどと話しているのを聞いた。社務所には、手首を骨折している人もいた。
 
「生きた心地がしなかった」。新潟市の男性会社員(53)は振り返る。山頂近くの山小屋を出た瞬間、噴煙とともに「ドガン」という大音響が響いた。慌てて山小屋に戻ったが、屋根に石がばらばらと落ち、窓ガラスが割れて屋内に灰がたちこめた。
 
50〜60人の避難者の中には負傷した人や泣いている人がいた。小屋の空気が熱くなってきた。「もうだめかと思った。大きな石に直撃されないのを祈るばかりだった」

結局、助かるかどうかは最終的に「運」としか言い様がないですね。


噴石直撃の被害多数 山頂付近、登山道襲う 御嶽山噴火:朝日新聞デジタル

警察は死亡確認された12人の死因は公表していないが、29日までに計61人のけが人が運ばれた長野県立木曽病院によると、症状が重い10人は噴石で頭や胸を骨折したり、高温の灰を吸い込んで呼吸困難になったりしていた。有毒な火山ガスによる中毒や熱風による熱傷の患者もいた。噴煙の流れる方向の山頂付近にいたとみられる。
 
自衛隊や警察関係者によると、死者や心肺停止状態の人たちの大半が見つかった山頂から南に下る登山道沿いの約500メートルでは大量の噴石が降った。国土交通省の28日朝の調査では、東側の開田高原方面を中心に約5キロ、幅1・5キロにわたって降灰も確認された。
 
火山災害や健康への影響に詳しい国立保健医療科学院の石峯康浩・上席主任研究官(災害医学)によると、登山中の噴火での事故の死因は、噴石による脳挫傷が多い。火口近くでは秒速200メートルで石が飛ぶこともあり、こぶし大でも致命傷になるという。
 
「現時点ではわからないことが多いが、今回の噴火で犠牲になった方たちの多くは、頭などに噴石の直撃を受けたと考えられる。気を失って倒れている間に火山灰がみるみる積もり、呼吸ができなくなった可能性もある」と石峯氏は言う。

火砕流は時速100km/hと言われますし、逃げ切れるものではありません。 ましてや噴石は...

<御嶽山噴火>頭部や首に噴石、即死20人…検視の医師 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

10人近くの検視を担当した医師によると、7~8割の人が後頭部や背中に致命傷を負っており、噴石から遠ざかろうと逃げたり、地面に伏せたりしていたことをうかがわせる。小石が頭蓋骨(ずがいこつ)を貫通し、頭部に1円玉大の傷が残っていたケースもあった。医師は「たとえヘルメットをかぶっていても助からなかったと思う」と話す。
 
この医師が検視した犠牲者のほぼ半数が噴火の写真を撮影していた。携帯電話を手に持ったまま亡くなっていた人もいた。噴火4分後の27日午前11時56分に撮影した記録が残るカメラもあった。噴火直後は自分たちが巻き込まれるとは思っていなかった可能性がある。医師は「写真を撮らず早く逃げていてくれれば」と残念がる。
 
数人を検視した開業医は、頭部に激しい傷を負ったケースが多く、大半が即死状態だったとみられるという。転倒が原因とみられる傷が残っている人も多く、足場の悪い山肌を必死で逃げようとしたと推測される。

逃げると言っても、短時間でどれくらい離れられるか分かりません。
山頂で噴火に遭遇したら、

・物陰に隠れる
・頭や首、背中を荷物や腕などでガードする
・投影面積を小さくする(しゃがむ)

くらいしか出来ませんね。