再エネに冷や水浴びせる電力会社の契約中断 | 週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
気になるのが原子力発電との関係だ。事業者からも「川内(せんだい)原発が再稼働するから再エネの枠が減ったのでは」との質問が出た。これに対し九電は「再エネのみでは安定供給できない。ベースロード電源としての原発と、調整可能電源としての火力発電も入れた前提で、再エネの接続可能量を見極めたい」と説明。ただ川内原発1、2号機の計178万キロワット、玄海原発3、4号機の計236万キロワットの再稼働を前提にすれば、おのずと再エネの入る枠は狭まる。
この点はまさに再エネに対する、国としての姿勢が問われる。欧州では再エネの優先給電が欧州連合(EU)指令で義務づけられ、再エネの出力を抑制する前に、火力や原子力を抑制しなければならない。結果としてベースロード電源が消滅に向かっているともいわれる。
もちろん、電力系統の安定が大前提ではあるが、日本はまだFIT法によっても、再エネの優先義務が徹底されていない。電力会社にとっては「厄介な代物」との意識が根強く、受け入れ対策も後手後手の印象が強い。
「系統接続に厳しさがあり、受け入れ容量拡大が必要なことは、FIT開始前からわかっていたはず。揚水発電の設備利用率は低く、連系線を通じた他地域への供給もあまり行われていない。本当に受け入れ枠はいっぱいなのか」と、高橋洋・富士通総研主任研究員は疑問を投げる。
再エネ推進の立場からすれば「そんなの昼間に揚水発電に蓄えれば済む話だろう?」と言いたいのですが、原発ムラからは「いや、揚水発電は原子力用。夜間に蓄電するんだから昼間には使えない」となるのでしょう。
火力なら出力調整しやすいですが、日本では原子力は基本的に定常出力で運転しますからね。
そろそろ原子力と再エネのどちらを優先させるのか、政府がハッキリと指針を出すべきだと思いますよ。