疑問がつきない今回の解散だが、首相が最も有利なタイミングで解散を図るのは政治の常でもある。総選挙が確定した以上、日本の政治を総点検し、過ちがあれば正す、リセットの好機にしなければならない。
自民党は2012年暮れの総選挙で294議席を獲得し、政権に復帰した。議席では圧勝だが、比例代表の得票は、野党に転落した09年よりも大幅に減らしている。民主党が自壊した結果、相対的に自民党を浮上させたのが前回選挙だった。(中略)
これら安倍政権にまつわるすべての特徴が、総選挙で問われる。最大の争点は、安倍政治である。
与党に比べて野党は選挙準備の遅れが目立っている。政権選択であるのに、与党に代わる受け皿を用意できなければ政党政治は機能しない。今後、公示までに選挙協力や野党再編の動きが本格化するだろう。その際には、野合と言われないよう、大きな基本政策を共有できるよう努力してほしい。
本来なら政権奪取のために解散を歓迎するべき野党がみな反対というのも変な話ですね。 「まだ準備が出来てない」なんて、この2年間何をやっていたのでしょうか? 内閣改造の躓き、消費増税による景気の落ち込みなど、野党にとっては久々のチャンスなのに。
政権選択なき衆院選、ゲームを壊した与野党の罪 :日本経済新聞
その12年は57議席と歴史的惨敗を喫した民主党。今回は最大野党ながら、過半数に届かない160人程度の擁立がやっと。それでも他党と連立構想を描けば、政権交代の受け皿になりうるが、幹事長の枝野幸男は「かなり詳細なところまで政策合意ができていなければ、無責任になる」と腰を引く。今回は一定の議席数を回復すれば御の字で、再び政権を狙うのはその次の選挙でいいとの打算もちらつく。(中略)
最大野党が過半数の候補者すら立てず、野党陣営をまとめて政権交代の受け皿を用意する動きも鈍い。これでは社会党が万年最大野党に安住し、自民党政権以外の選択肢が事実上、なかった1955年体制と変わらない。このままでの衆院選は首相の安倍晋三と自公連立の信任投票にならざるを得ない。下野して2年。党勢立て直しと野党再編に手をこまぬいてきた民主党の責任は重い。
一方、そんな野党のバラバラ感を見越して「早いうち解散」を敢行する安倍にも罪はある。
そもそも「争点」というのは政権を取りに行くチャレンジャーである野党が設定するものです。 与党側は「これまでの実績を見て判断してください」と言えばそれで済むのだし。 誰かに「お題」を出して貰えないと戦えないとしたら情けないことです。
「アベノミクスは失敗した」というならそれに代わる経済政策の対案を出すべきです。 漠然とした期待で野党に投票するのは、前々回の衆院選で懲りてますから。
問われる:安倍解散/1 狙っていた年内選挙 「大義」谷垣氏の発言参考 増税後の景気、見込み外れ - 毎日新聞
3党合意を政権与党として主導した民主党も、「景気回復ができていないときに増税という選択肢はあり得ない」(野田佳彦前首相)と、先送りを容認した。「選挙で1党だけ増税を訴えるのは不利」との判断があったとみられるが、税と社会保障の一体改革の推進を訴える勢力は政界では「皆無」となった。
あれだけ増税に固執していたのに情けないですね。 野田前首相には「私が当選したらすぐに増税させます」と有権者に訴えて選挙を戦ってほしいものです。
Yahoo!ニュース - 「関西電力」が「40年超老朽原発」運転延長へ経産省はなぜこの暴挙を止めないのか (現代ビジネス)
関西電力は今、間もなく運転開始から40年(設計上の耐用年数)を迎える高浜原発1、2号機の運転再開に強い意欲をみせている。この動きは、震災後のいくつかの選挙で一定のコンセンサスを得たはずだった“脱原発依存”を実現するまでに必要な時間を20年引き延ばす行為に他ならない。
選挙上手の自民・公明両連立与党は、今回も原発を含むエネルギー問題を争点にしない注意深さをみせているが、われわれ国民はそうした連立与党の戦略を黙認してよいのだろうか。(中略)
見方を変えれば、今回の関西電力の老朽化原発温存の動きは、安倍政権と与党が発足からの2年間、お題目のように「原発依存度の引き下げ」と唱えながら、何ら具体策を示して来なかったことのツケに他ならない。
個人的には「原発再稼働の是非」を争点に戦ってほしいところですが、国民の意識もどちらか一方に定まっていないので、大きな差は付かないでしょうね。
マスコミもこれまで集団的自衛権容認や秘密保護法などで、「国民に信を問え」とか言ってたのにいざ解散したら「何で今なんだ」の大合唱。 結局、安倍政権が倒れるのを見たいだけで、政権交代の可能性がない時期の解散などムダと考えているのでしょう。