EyeSightの独走を止めるのは誰だ?

自動ブレーキ、この1年――EyeSightの独走を誰が止めるのか - 自動運転・運転支援 - 日経テクノロジーオンライン

自動ブレーキを支える、車両周辺を認識するセンサーも急速に進化した。相次いだのが、ミリ波レーダーの低価格化や高性能化に関する発表だ。スズキは2014年2月、ミリ波レーダーを使った自動ブレーキ機能を小型乗用車「ソリオ」にオプションで設定すると発表(関連記事8)。横滑り防止装置(ESC)を標準搭載するモデルの場合、オプション価格は3万5000円(税別、2月時点)と安い。レーダーはドイツBosch社製である。ドイツVolkswagen社の「Golf」に採用したものとみられる。
 
ミリ波レーダーは今後、さらに安くなる。富士通研究所は2014年10月、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)技術を使った車載ミリ波レーダーを、2018年ごろに量産すると発表した(関連記事9)。Si(シリコン)基板から造れるため、量産規模が大きくなれば価格を大きく下げられる。

自動ブレーキに関するECU機能はモジュレータに統合されて、レーダーを付ければOKという時代になっていくものと思います。

車線維持などはカメラでないと難しいので、高級車では単眼カメラと併用される場合が多いと思われますが、レーダーで検出できる対象を広げる取り組みも進んでいます。

ミリ波レーダーの認識能力を高める取り組みとしては、車両に加えて、歩行者を認識する開発が進んだ。ドイツContinental社は、次世代の76G~77GHz帯ミリ波レーダーに歩行者認識機能を搭載することを明らかにした(関連記事10)。認識能力は、欧州の新車アセスメントプログラム「Euro NCAP」の自動ブレーキ試験で、2016年から始まる歩行者対応試験に開発品だけで対応できる水準にする計画である。2015年後半に量産する予定だ。デンソーも同様の開発に取り組んでいる。
 
認識能力は今後、さらに進化する。現在の76GHz帯(76G~77GHz)に加えて、79GHz帯(77G~81GHz)が自動車用途で使えるようになる見込みだからだ。76GHz帯の帯域幅が0.5GHzなのに対して、79GHz帯は4GHzと大幅に広がる。距離の分解能は、帯域幅に比例して高まる。
 
79GHz帯ミリ波レーダーの開発に本腰を入れているのがパナソニックである(関連記事11)。同社は独自の符号化技術を使ったパルス圧縮方式の79GHz帯ミリ波レーダーを開発している。符号化技術で感度とダイナミックレンジを高め、20cm程度の距離分解能と歩行者認識機能を実現する方針だ。このほかContinental社やドイツBosch社、富士通グループも79GHz帯ミリ波レーダーの開発に着手している。

ミリ波レーダーこそ軍事技術と関係が深いですが、富士重は船(イージス艦)は作ってないので馴染みがないのかな?

【ニッポンの防衛産業】富士重工業「アイサイト」と無人機開発の深い関係 - 政治・社会 - ZAKZAK

「アイサイト」は、無人機の自動着陸に関する社内研究成果とルーツは同じであり、それを自動車部門が発展・応用させたものだという。
 
同社は、無人機開発の専門部署を置く国内唯一の企業なのである。
 
「パイロットが経験するあらゆる事態を想定することが肝なのです」
 
関係者は自信をのぞかせる。何と言っても戦前は『隼』を産んだ中島飛行機である。航空機を知り尽くした会社ならではの事業と言えるだろう。
 
しかし、当の無人機は険しい道を歩んでいる。
 
陸上自衛隊では、観測無人機FFOS(遠隔操縦観測システム)と、その後に開発された無人偵察機システムが配備されていて、昨年4月に石垣市の防災訓練で使用された際には市長が「非常に役立つと感じた」とコメントするなど高い評価を受けている。だが、後継機に着手するも、防衛省・自衛隊では偵察無人機の米国製導入を決めている。

やっぱりアパッチ訴訟の影響でしょうかね?

防衛省ヘリ発注訴訟、富士重工が敗訴 東京地裁:朝日新聞デジタル

訴状によると、防衛省は2001年、戦闘ヘリ「AH64D」(愛称アパッチ・ロングボウ)を62機導入すると決定。生産する富士重と関連部品メーカーは、米ボーイング社へのライセンス料や設備投資などで、約350億円を支出した。
 
富士重側はこうした初期投資を分割し、1機ごとの代金に上乗せして回収する予定だったが、防衛省が調達方針を変更。07年度までの計10機だけで打ち切られ、「初期投資は防衛省側が全額負担するという合意があった」と訴えていた。同社は「判決は不服で、今後の対応は代理人と協議して決める」としている。

米軍との相互運用性とか考えると米国製という判断も成り立ちますね。

話が脱線しましたが、今後の「台風の目」はソニーかもしれません。

ミリ波レーダーだけではなく、画像センサーの進化も著しい。夜間でも認識できるほど高い感度を実現した技術の発表があった。ソニーは10月、闇夜でカラー画像を撮影できるほど高感度にした自動車向け画像センサーを、2015年に量産する計画を発表した(関連記事13)。「星明かりよりもさらに暗く、闇夜に相当する低照度な0.005ルクスの環境でカラー映像を撮影できる」(同社)とする。順調にいけば、2016~2017年ごろに量産車に載りそうだ。

日立やパナソニックなどに比べて車載用で出遅れましたが、デバイスの強さは折り紙つきです。 「人命に関わるものはやらない」なんて言わないで、技術で社会に貢献してほしいですね。

【CarテクノロジーWatch】3つに大別できる衝突被害回避・軽減自動ブレーキ - Car Watch

「歩行者」を認識するには、「カメラ方式」が必要。天候に左右されない性能を確保できる「ミリ波レーダー」。安くするには「赤外線レーザー方式」がベスト。それぞれに優位点があり、一方で弱点を持っている。センシング方法によって、適切な使い方があるというわけなのだ。

現状では「アイサイト」のステレオカメラ方式が性能と価格でベストバランスのように思います。
JNCAPなどの試験もより条件が高度化されていくと思いますし、真の「ぶつからないクルマ」が早く実現できるといいですね。