「月12万円」の年金は少ないか?

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

年金が少ないから新幹線焼身テロに及んだ事件に思う | More Access! More Fun!

で、一番言いたいのはここから。あのですね。月12万で「生活できない」と仰いますがね、このエントリーにも書いたけど、大学生の下宿している子の1ヶ月の生活費はいくらか知ってるのかな。大学生協の調査だと、2014年の下宿生の1ヶ月の生活費は11万7000円です。
 
この中には書籍代や交通費、電話代もはいっていてそのうち2万4200円は将来返さないといけない奨学金です。バイトで2万5000円稼いで食費に充ててます。この子たちも20歳になったら月1万5000円くらいの国民年金の保険料を支払わないとならず、その保険料はテロ爺さんの年金に充てられているのです。
 
なんで若者が月12万円で将来真っ暗なのに必死に生きてるのに、同じ額をもらって「少ない」とか言えるのかな。
 
ホント、腹立つ!!!

いま話題のギリシャ危機ですが、TVニュースのインタビューで「以前は夫婦で月に50万円もらえていた年金が、緊縮策を取るようになって半分になった。これじゃ暮らしていけない」とギリシャ人のおばあさんが宣ってました。

でもいまギリシャで一番苦しんでいるのは、仕事がなくてもちろん年金も貰えない若者たちなんですよね。

ギリシャ危機、真の病巣は「バラマキ年金」にあり:日経ビジネスオンライン

公的年金の赤字が大きすぎるのである。2000年代には「年金の赤字がGDPの9%に達したこともある」(前田俊之・ニッセイ基礎研究所常務)というから想像を超える。GDPの9%といえば、日本なら約45兆円。ほぼ税収に匹敵する規模の赤字といえばわかりやすいだろうか。(中略)
 
いずれにしても現役時代の約80%もの所得が得られるというギリシャの水準は国の経済力から見て極めて高い。グラフは、ギリシャの年代別貧困率の推移である。一見して分かるように2010年に財政危機が発覚して以後、若い世代ほど、貧困率が高くなっているが、高齢者には変化がない。もちろん、高齢者の中にも20%は貧困層がいるから、一概には言えないが、手厚い年金がこの「豊かさ」を支えているのは間違いないだろう。

日本でも例えばマクロ経済スライドにより、デフレで物価が下がった分だけ年金を減らすという仕組みがあります。

年金減額遅れ13年10月から 「もらいすぎ」9.6兆円に  :日本経済新聞

過去の特例措置で、高齢者が本来よりも高い公的年金を受け取っている「もらいすぎ年金」を来年10月から段階的に解消することが決まった。年金減額を盛り込んだ改正国民年金法が16日、成立した。減額の開始は当初の政府案から1年遅れ、年金の過払いは累計で約9.6兆円にのぼる見通しだ。政治が高齢者優遇を続けた結果、現役世代にツケを回した。
 
現在の公的年金の支給水準は本来より2.5%高い。減額は3段階で実施する。2013年10月分から1%、14年4月分から1%、さらに15年4月分から0.5%下げて解消する。

これに対して「生存権の侵害である」として集団提訴が起きました。

年金減額で初の集団提訴…鳥取「生存権を侵害」 : シニアニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

国が2013年から段階的に実施している年金の減額は憲法違反として、鳥取県内の国民年金や厚生年金の受給者24人が17日、国に減額決定の取り消しを求め、鳥取地裁に提訴した。
 
受給者約11万6000人が加入する全日本年金者組合(東京)が主導し、今後、全都道府県で集団提訴する。同組合によると、この年金減額措置の違憲性を問う訴訟は全国初という。

ことほど左様に年金というのは既得権益なんですね。

それはさておき、12万円というのは絶対額としては少ないと思います。 ただ同年代でそれなりの額の年金をもらってたり、節約して老後資金を貯蓄していた人もいるわけで、結局は本人の老後の備えが不十分だったと言われても仕方ないでしょうね。