VWの不正を暴いた小さな研究所

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WV(ウエストバージニア)大がVW(フォルクスワーゲン)ひっくり返す (ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース

CAFEEのウェブサイトによると、この研究所は教員7人、フルタイムのエンジニアおよび実験助手が5人ずつ、博士課程および修士課程の大学院生が30人以上の所帯。サイトにはその特徴として、世界で初めて持ち運び自由な車載用の排出ガス試験システムを開発したなどと書いてあるが、後で出てくるCAFEE助教のArvind Thiruvengadamさんに言わせれば、大学のキャンパスでも取り立てて人目を引くようなラボではないという。
 
ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の報道によると、Thiruvengadamさんと同僚の研究者らがディーゼル車とエンジンの排ガス試験に乗り出したのは2012年。補助金をもらって試験ができるということ自体が非常にうれしかったという。「自分たちがディーゼル車の路上での排ガス試験を初めて行うんだ。よし、これでジャーナルに投稿する論文を何本も書くぞ。それを3人ぐらいに読んでもらえたらうれしいんだが」程度の考えでいた。

なんだか映画化されそうな勢いですが、ウォーターゲート事件並みの大事件ですからね。

不正発覚の経緯ですが、

一部で報道されたように、VWの不正行為をCAFEEがEPAに通報したわけではないようだ。CAFEE暫定所長のDan CarderさんがIEEEスペクトラムに語ったところによれば、CAFEEが2014年春にサンディエゴで公開討論会を開き、排ガス測定を行った2台のVW車についてプレゼンを行った。その会場にEPA職員が来ていたのだという。
 
その後、排ガス試験に資金を提供したICCTがインターネットでこの測定結果を公表したものの、報道機関はその重要性に1年以上も気がつかないままでいた。一方、CAFEEの結果報告に驚いたEPAではテストを繰り返し、必要な手続きを踏んだうえで、VWに対しついに追及の矢を放つ。同社はしばらく抵抗をみせたが、観念して不正を働いていたことを認め、9月22日には排ガス規制逃れを行っていたことを対外的に公表。25日にはEPAが排ガス試験を厳格化する方針を打ち出した。

自分も含めて「そりゃモード試験と実走行で違うのは当たり前だろう」くらいにしか思ってなかったのでしょう。 まさかあのVWがそんな不正をするなんて思わないもんね。

独VW排ガス不正は世界の自動車産業を地獄に叩き落とすか (プレジデント) - Yahoo!ニュース BUSINESS

何か違った発見を期待して行なっていた検査とは、2017年に欧州でも導入が予定されている世界標準の排出ガス検査の走行パターン、WLTCモードによる試験。欧州では制限速度130km/hの高速道路走行モードまで含むフルテストとなるという(日本は97.4km/hの郊外路までを導入する見通し)。
 
すなわち彼らがやっているのは将来規制の先取りテストであって、各社が不正をしていると言っているわけではない。現行規制に対応していようとも、新しい基準ではメーカーによって差はあるものの、調査結果は度を越えてボロボロというクルマが少なからず存在しており、排出ガス削減技術の開発をさらに加速させるべきだと指摘しているのである。

その通り、ではあるんですが、

各社が排出ガス規制を不法にクリアしているかどうかについての実態は今後の調査を待たねばならないが、気になるのは今後のディーゼルの行方である。まず、そもそもディーゼルの排出ガスを飛躍的にクリーン化できるかどうかだが、これについてはできると答えるエンジニアが大半だ。
 
「現行のユーロ6や日本のポスト新長期(現行)規制であれば、NOx(窒素酸化物)触媒方式で十分にクリアできます。さらに厳しい規制となると、NOxとPM(粒子状物質)のバランスを取るためには尿素SCR(選択還元触媒)を使うことになるでしょうが、それでクリアできると思います」(デンソー幹部)
 
「ディーゼルの排出ガス処理装置が注目されますが、重要なのはエンジンアウト(処理装置を通す前の排気)をできるだけきれいにすること。元の有害物質が少なければ、処理装置も小さいものですむため、簡単にクリーン化できるし、コストもより下げられる。ディーゼル燃焼における有害物質の生成のメカニズムが相当解明されてきていることからも、これ以上は無理とはまったく考えていない」(マツダのディーゼル開発担当エンジニア)

WLTCモードでさえも実走行と乖離があってさらに規制強化、となった場合に「許容可能な追加コスト」で対策が可能かというと微妙なところでしょう。
もちろん直噴ガソリンエンジン車でもDPM搭載などが必要になりますが、プラグインハイブリッドの方向に進むでしょうし。 ディーゼル+ハイブリッドだとさらにコストアップしてしまいます。