東京電力、成長のカギを握るのは「ガス小売」

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

電力供給サービス:管内2000万世帯は草刈り場か、東電が売りたい電力以外の価値 - スマートジャパン

そのため、企業としての維持・成長を考えた場合、既存エリア・既存分野以外をどう伸ばすかが最大のポイントとなっている。この中で新規エリアについては、仮に20万件を獲得したとしても、関東圏の2000万世帯の中での切り崩しの影響を考えると、成長の原動力とするのは難しいと考えられる。
 
そう考えると、成長のカギを握るのは「新規分野」ということがいえる。小早川氏は「新規分野で最も意識しているのはガスだ。ガスの小売自由化については制度設計がまだ確定していない部分もあるが、参入できるようになり次第、ガスの直接販売を開始する。燃料調達で見た場合、当社は東京ガスの2倍の調達力を持っており、ガスについても最終的な価格競争力を発揮することは可能だと考えている」と述べる。

頼もしいですね! 都市ガス最安の東京ガスに戦いを挑めるのは、東京電力だけかもしれません。

都市ガス価格が最重要な我が家としては、本命は東京ガスと考えていましたが、電力も都市ガスも東電から買うことになるかもしれませんね。

既存市場の切り崩しについても「総合エネルギーサービス企業として、ガスや電力も組み合わせた提案を進めることで、提供するのは電力になるのかガスになるのかは分からないが、現状の約2500億kWhというトータルのエネルギー量というのは維持できるようにしていきたい(図2)。契約口数についても、現在顧客として接点を持てているので、電力やガスに加えて、IoTなども含めた新サービスで、何らかのつながりを維持できるようにしていく」と小早川氏は述べている。これらの新たなサービスをどれだけ伸ばせるのかが、東京電力の今後のカギを握ると見られる。

「供給エネルギー量さえ確保できるなら、それが電気だろうがガスだろうが拘らない」というのは、総合エネルギー企業としては当たり前でも従来の電力会社の思想からはかなりぶっ飛んだ発想ですね。

ここまでの覚悟を決めている東電に戦いを挑むなら、東京ガスをはじめとする新規参入組は中途半端な気持ちではあっという間に駆逐されてしまうような気がします。