スズキとトヨタ、技術提携に向け協議開始

スズキとトヨタ、提携実現に向け鈴木修会長と豊田章男社長が共同会見 - Car Watch

会見では、鈴木修会長から今回の発表までの流れが紹介され、鈴木会長から9月ごろにまず豊田章一郎名誉会長に相談したことを明かすとともに、豊田章男社長には先週に相談する機会を得て、今回の発表につながったという。
 
豊田名誉会長からは「協議だけはしてみてもよいのではないか」、豊田社長からも「両社でいかなることができるのか協議をしてみよう」との言葉をもらったことを紹介し、鈴木会長は「スズキの将来のために、しっかりと協議に望んでいく覚悟」と今後の意気込みを示した。

トヨタの側にスズキと提携しなければならない理由はないので、スズキがトヨタにどんなメリットを提示できるかですよね。
スズキがトヨタに提供できそうな「見返り」はインド市場の一部割譲くらいですが、スズキにとっても生命線なので難しいんじゃないかな?

豊田社長と鈴木会長「これからゆっくり考える」:日経ビジネスオンライン

トヨタは豊田社長自ら「アライアンスの苦手な会社」と公言するほど、これまで提携に消極的だった。ただ、最近になって米マイクロソフトとの新会社設立(今年4月)や米ウーバー・テクノロジーズとの提携検討合意(今年5月)など、異業種との提携を加速させている。スズキとの交渉開始も、次なる時代を見据えた「婚約」と捉えて間違いないだろう。
 
豊田社長が会見で2度使った「標準化」というキーワードからも、スズキとの提携が単に自動車販売拡大を狙ったものではないことが伺える。トヨタなりの危機感がそこにはある。

環境技術の方は、スズキ単独でも(燃料電池以外は)何とかなるんじゃないかと思います。 この先インドでも BS-6適用や CAFE規制が予定されていますが、今でもSエネチャージ(マイルドハイブリッド)の Ciazを発売して売れてますしね。

コネクテッド・カーやインフォテインメントシステムについては、ISOのWGで規定するような業界標準ではなく、Appleや Googleとの協調と対抗というのがテーマになっていて、連合を作る規模のメリットはあるのかもしれません。

問題は自動運転技術(と安全技術)ですが、トヨタが競合に対してアドバンテージを持っているかというと、そんなことはありません。
トヨタといっても電気制御系の部品を開発しているのはデンソーですが、ボッシュの方がまだ進んでいるのではないでしょうか? 自動ブレーキで評価が高いステレオカメラ方式は日立オートモーティブですしね。

トヨタとスズキが提携、スズキは独立企業として経営へ - 日経テクノロジーオンライン

トヨタは2016年8月に、ダイハツ工業を完全子会社にした。そのダイハツは国内の軽自動車事業で大きなシェアを握る。一方、スズキも軽自動車に強い。トヨタとスズキの提携によって、軽自動車事業では独占禁止法に抵触する可能性が生じる。
 
この点について豊田氏は、「独禁法の問題は、検討の段階で十分に踏まえて進めていく。公正かつ自由な競争を行うことが前提だ」と述べた。

資本提携すると軽市場で7割を占めてしまうので、独占禁止法に照らして難しいでしょうから、これはこの先も考えにくいです。 株式の持ち合いであってもどうかな?

【新聞ウォッチ】豊田名誉会長の「修さんと会ったよ」で動き出したトヨタ・スズキ提携 | レスポンス(Response.jp)

また、豊田社長は「鈴木会長とは先週お会いしたばかりで、お見合いをした段階であり、これから考える」と述べ、具体的な提携内容は何も決っていないという。それでも、このタイミングで共同会見を行ったことは、スズキにとっては大きな意義がある。共同会見の会場がホテルなどの宴会場ではなく、トヨタ東京本社の大会議室だからだ。ちなみに、マツダとの包括提携やダイハツの完全子会社化の共同会見は都内のホテルの宴会場だった。
 
つまり、相手がスズキだけに会場費を節約したという見方もあるが、それよりも、豊田社長も「大先輩」と仰ぐほどの鈴木会長が、わざわざトヨタの東京本社に出向き、トヨタの経営トップと固く握手を交わすというパフォーマンスこそが大きな意義がある。そのシーンが、世界中のメディアに流れることで、独VWとの提携解消後、将来への危機感を抱きながらく現場で汗を流すスズキマンにとっては、その不安を払拭するための絶大の効果だったようにも思えるからだ。

スズキとしては「いざとなったら俺の後ろにはトヨタがいるぜ」と”ホワイトナイト”役を期待しているのではないかしら?

むしろ心配は修会長の健康状態で、会見でも声が小さいし動作もゆっくりで、先が長くない感じがしましたね。 まだまだ長生きしてほしいですが。