ホンダ、自動運転技術の開発でGoogleのWaymo社と提携 - 日経テクノロジーオンライン
ホンダは従来から独自に自動運転技術の開発を進め、2020年に高速道路での自動運転を実用化することを目指しているが、今回Waymo社と進める共同研究は、これとは別個に並行して進めることを想定する。ホンダはWaymo社と共同研究する理由として「完全自動運転の実現に向けて、異なる技術アプローチを採るWaymo社と共同研究をすることにより、研究開発の幅を広げ、より早くゴールに到達するため」と説明する。
ただ現在は、共同研究に向けた検討を始めることに関して覚書を交わした段階で、具体的な共同研究の詳細については今後の協議で内容を詰めることにしており、現時点では未定だとしている。
Waymo社は現在、Fiat Chrysler Automobiles(FCA)グループとも自動運転技術に関して提携しており、FCAから自動運転用車両の提供を受け、100台の自動運転実験車両をFCAの技術者と共同で製作し、今後公道実験に使用する予定だ。
自動運転には高精度な地図データを前提にするか否かなど、いろいろなアプローチがありますね。
お互いに知見を持ち寄った方が開発が早いのは確かでしょう。 Googleとホンダは災害時の通行可能な道路情報などで協力してますし、親和性はあるのでしょうね。
ただ、こんな意見もあります。
ホンダ、グーグルの抜け殻と組む(23日) | 自動車評論家 国沢光宏
意外なことにホンダは自動運転技術でグーグルと組むそうな。確かに現時点で自動運転技術についてのノウハウを一番持っているグーグルと組めば、ライバルを出し抜いて最先端に立てると思う。ただし深刻に考えなければならないことも、いくつか。まず今までグーグルが投資した金額を考えるべきだ。世界中にグーグルカーを走らせ、地図を作ってきた。
この”財産”は安くない。地図情報を簡単にホンダに渡してくれるというなら何ら問題ないけれど、そんな美味しい話が続くだろうか? 最終的に厳しいコスト負担を強いられる可能性も。グーグル自ら事業継続を断念したという点も不安材料。私は完全自動運転なんか出来ないと思う。独立心旺盛な本田宗一郎さんならどう判断しただろうか。
別にWaymoの知財が欲しくて提携する訳ではないと思うけどな。 どうしてこんな短絡した話になるのだろうか? 頭の中が短絡しているのではないかしらん?
「完全自動運転」というのが「100%事故が起こらない」を意味するのなら「出来ない」でしょうね。 だからといってやらなくてもいいという訳ではないです。
それから Waymoのことを「グーグルの抜け殻」と認識しているのも事実誤認です。 自らクルマ(グーグルカー)を製造するなんて Googleは(Appleも)ひと言も言ってないのに「グーグル自ら事業継続を断念した」というのはマスコミの勝手な思い込みです。
Google社の「Waymo」が自動運転開発に与えるインパクト - 日経テクノロジーオンライン
こうした状況の中、Google社は2016年12月14日にWaymo社の設立を発表した。「過去9年間の開発を経て、Self-driving Carはサイエンスフィクションから、全世界の都市計画者がSelf-driving Carを用いて将来の設計図を描けるまでになった」と同社は述べた。その上で、ヒトとモノを安全に簡単に移動できるようにすることをミッションとするSelf-driving技術の会社としてWaymo (a new way forward in mobility)社を立ち上げたと説明した。
同技術の適用分野としてWaymo社が目指すのは、個人の自家用車やライドシェア、物流、そして公共交通のラストワンマイルだ。これらに活用することで、より安全で、より効率的で、より可用性の高い輸送手段に変えていくとみられる。これまでGoolge社は日常的な道路での完全自動運転を中心に開発を行ってきた。今後はさらにその先として、「より多くの場所で、より多くの人に、より多くの乗り方を提供する方向に向かい」、「日常的な買い物や、出勤、深夜の安全な帰宅などに実際に使ってもらう」と同社は語っている。
Waymo社はまさに、NHTSAが今回求めている「特定目的や限定された領域での自動運転の立ち上げ」を実現する目標に符合する。Google社は、Waymo社により完全自動運転の実現に向けた全体的な流れを牽引し、それを実現する技術要素の開発とその事業化に邁進する事業体をつくったと読み取ることができる。
Waymoは単にクルマに搭載するソフトウェアだけではなく、ITSの代わりになるプラットホーム(社会基盤)を抱合しているのですね。
ホンダやFCAに限らず、Waymoと協業する完成車メーカーや部品サプライヤーは増えるでしょう。
ちなみにホンダは自前でもちゃんと開発はしています。
未来のクルマ、開発競争を追う ホンダは米基地跡で実験:朝日新聞デジタル
交差点に立つと、時速40キロほどで近づいてきたホンダの黒いセダンが減速し、停止線の前でぴたりと止まった。赤信号を認識したのだ。屋根の上に三つのカメラ。運転席に人の姿はあるが、機器のデータ確認に忙しく、ハンドルは気に掛けていない。すぐに車はひとりでに発進。ハンドルが勝手に回り、右折して走り去っていった。
「ゴーメンタム・ステーション」と呼ばれる米海軍基地跡。ここでいま、最先端の自動運転技術を磨く実験が繰り返されている。管理する地元自治体は立ち入りを厳しく制限しているが、11月中旬、一部メディアに許可が出た。
ホンダは昨年、ここで実験を始めた。実験車を何度も走らせ、運転者に代わる人工知能(AI)の性能を磨く。例えば、交差点での右折時に左から別の車が来たら、7秒の余裕があれば自らの車を先に右折させ、ないと判断すれば譲る。並走する自転車をセンサーで捉え、巻き込まないように曲がる。そんな微妙な判断をAIに学ばせている。現地責任者の藤村希久雄氏は「何百もある技術で採用できるのは一つか二つ。ここでは、実際に試し、失敗を重ねながら確かめられる」。
ホンダは自動運転関連のセンサーのサプライヤとしては Boschと組んでますが、プロセッシングは NVIDIAなんですね。