ホンダ、欧州四輪市場から事実上撤退へ

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ホンダが本田技研含めた体制変更、欧州では「電動化を機にブランド強化」 - MONOist(モノイスト)

今回、「シビック」の次期モデルについて生産場所を検討するのに合わせて、シビックハッチバックを生産する英国、シビックセダンを生産するトルコでは、2021年中に生産を終了することとした。英国で生産する同モデルは55%が北米向けであり、北米などで生産することが適正化につながると判断した。また、北米と欧州の環境規制への対応の違いも踏まえて決定した。北米での生産モデルを欧州に輸出することは考えていないという。英国では、同年中に完成車の生産を終了する方向で、会見と同日から労使間での協議を開始した。(中略)
 
八郷氏は英国とトルコでの生産終了が、欧州事業からの撤退ではないことも強調した。「欧州から撤退することは考えていない。中国のボリュームや日中の競争力で欧州事業の基盤を強化したい。電動化が加速する中で、欧州でのホンダブランドを強いものにしたい」(同氏)。

ハハッ! よく言うね。
もちろん売るのをやめる訳ではないのでしょう。 マツダだって欧州に工場はないけれど、年間20万台以上販売しているしね。

昔は「欧州は自動車の本場」という意識が強かったように思います。 「欧州で認められれば本物」だと。 だから長年にわたって収益的には赤字でも頑張ってきたのだと思う。

でもホンダのクルマで、本当に「欧州で戦う」ことをメインに開発されたモデルってないんだよね。
EU向けアコードとか、先代シビック(ツアラー)とかもあるけど、トヨタが初代ヤリス(ヴィッツ)で示した気合の入り方とは比べ物にならない。

本来は(HUMの生産ライン2本分にあたる)40万台くらいは欧州で売りたいし、ホンダの規模からして売る必要があると考えていたのだろうけれど、CAFEは厳しくなるわRDEが導入されるわでコストはますます上がるしで、「もうムリ!」と白旗を揚げてしまったんだろうね。


欧州向けは日本や中国からの輸出に切り替えるというが、為替だって対ユーロでどう転ぶかは分からない。 FTAで関税が撤廃されてもそれで採算ベースに乗るかは疑問だ。
米国から欧州への輸出も、トランプが25%関税をかけたらEUも報復するだろう。

そもそも日本の生産能力も、狭山工場を閉めたら鈴鹿2本と寄居1本に旧八千代1本を足しても90万台くらいしかない。 国内販売も80万台を諦めたから75万台とすると、CBUの余力は15万台くらい? その内、欧州向けにどれだけ割り振れるのか?
おそらく「生産能力の余力の範囲内で商売できればいい」程度にしか考えていないのだろう。 工場を構えているときとは真剣度が全然違う。 いざとなれば現地ディーラーとの契約切って、現法畳んで撤退すればいいんだからね。

これは欧州だけでなく、ロシアやCIS諸国、アフリカ・中東も同じ。 トヨタや日産、三菱自、マツダがロシアに工場を持っているのに、ホンダだけは持っていない。
北中米と中国の商売が最優先で、あとはア大。 日本は現状維持で精一杯というところで、その他の地域は赤字が出ないようにチョボチョボとやるんだろう。

「選択と集中」といえば聞こえはいいが、欧州市場でプレゼンスを発揮することを諦めたということだろう。
GMやフォードが日本市場から撤退したのと同じだね。 でも欧州と日本じゃ市場の大きさが全然違うし、自動車(文化)の歴史上の重要性も大きな差がある。
「ホンダには自動車の本場で通用するクルマが、ついに作れなかった」という烙印というか評価を確定させる、それくらい重要な決定だと思う。


HUMだけで3500人のクビを切る。 これくらいの決断をするとき、本田宗一郎や藤沢武夫が生きていたら、経営陣は事前に説明に行っただろう。
八郷社長は三代目社長の久米是志や四代目の川本信彦に説明に行ったのかな?
行ってないだろうな...