バッテリーを変えると走りは良くなるか?

バッテリーを変えると走りは良くなるか?:日経ビジネス電子版

F:でも確かに走りが……。
 
尾:それはいわゆるプラシーボ効果ではないかと思います。いいものを買ったのだから、走りも良くなったに違いない、と。例えば、冷間始動のクランキング性能に差が出ることはあるので、始動性が良くなったことで、全体的な走りの印象も良く感じてしまっている、そんな可能性もあります。
 
F:うぅ……。

自分も Wave125iのバッテリーを交換したら、3万kmを超えてヘタってきたように感じたエンジンが元気になったような気がしたのですが...
でも確かに冷間始動性は確実に向上しています。

バッテリーは見ていないとサボる運動選手:日経ビジネス電子版

F:確かに。3%にも満たない数字です。それと引き換えに受けるリスクと言ったら計り知れない。ケチケチしないで時期が来たらサッサと変えたほうが良いということですね。とはいえ、できるなら1日でも長く使いたい。バッテリーを長持ちさせるコツのようなことはありますか?
 
尾:あります。正直な話、バッテリーは乗り方によって寿命が左右される製品です。製品の特性から言うと、鉛バッテリーは放電された状態が一番悪い。一番いい状態は満充電です。リチウムはまた話が違いますが、鉛は満充電が一番いい状態です。長持ちさせたいのであれば、できるだけ満充電に近い状態をキープすればいいんです。

トリクル充電機能付きのバッテリー充電器を常時つないでおくのは、使い方として間違ってはなさそうです。

尾:ちょっと矛盾するようなことを言いますが、バッテリーって、電圧が高い状態が内部の化学的な点ではツラいんです。
 
F:あれ? 満充電が一番いい状態なんじゃないんですか?
 
尾:性能を発揮する、性能を維持するにはいい状態なんですが、化学的には辛いんです。バッテリーは自分自身が少しでもラクなほうへ、安定した状態になりたい。だから自己放電してしまうんです。自己放電は、バッテリー自身がラクになりたいから、自分で電気を捨てているんだとイメージしてもらえれば。
 
F:へぇ。
 
尾:スポーツをされるフェルさんに分かりやすくするため、バッテリーを運動選手に例えると……選手はトレーニングをしますよね。バッテリーにとって充電はいわばトレーニングなんです。トレーニングは楽じゃないですが、正しく行えばいい成績が出せるようになる。バッテリーで言えば、適切な充電をして電圧をキープしていれば性能を維持できる。
 
逆にトレーニングせずにラクをしてサボっていると、徐々に成績も悪くなってしまう。これはバッテリーの場合には放電です。

素人にこんなに分かりやすく技術解説できる人は素晴らしいね! 尊敬してしまう。