nasneから取り外した 2.5インチ HDDをノートPCに USB接続する必要があります。
4月に購入したまま使ってなかった USB接続 HDDケースがあったので、これを使います。
玄人志向 (2018-07-30T00:00:01Z)
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nasneのハードディスク交換♯2 HDDの修復 – nishy software (ja)
修復作業のためのコマンドがそろっているLinuxを使用します。ただLinux系といっても、いろいろなディストリビューションのOSイメージがあります。今回のように一時的にLinuxを使いたいときは、Linux系のブータブルイメージを使います。Linux系のブータブルイメージは、DVDやUSBメモリなどに展開すると、PCにLinuxをインストールすることなくLinuxを起動できます。
今回は、ブータブルイメージの一つであるDebian Liveを使います。
debian-live-12.0.0-amd64-gnome.iso をダウンロードして、16GBの USBメモリ(USB3.0)に書き込みました。
isoファイルの USBメモリへの書き込みには Rufusを使用しました。
nasneのハードディスク交換♯2 HDDの修復 – nishy software (ja)
上記のDebian Live (gnome)を使った場合は、xtermを起動し、そのコンソールで管理者権限に昇格します。管理者権限への昇格は
sudo su
とすることで可能です。一つ一つの作業を毎回sudoを使って行うことも可能ですが、手順が複雑になるので、今回は、管理者権限に昇格してしまいます。
以後は管理者権限を前提とします。
nasneのハードディスク交換♯2 HDDの修復 – nishy software (ja)
パーティションの作成はLinuxのコマンドfdiskを使って行います。
パーティション1は256MB、パーティション2は1GB、パーティション3は残りすべてを割り当てます。具体的には、以下のパーティション構成になるように設定します。パーティション3の値は用意したHDDのサイズにより変化します。
新しい HDDにパーテーションを 3つ作りました。 デバイス名(/dev/sdc)は環境によって異なります。
次はフォーマットです。 パーテーション 1と 2は ext3ファイルシステム、パーテーション 3は xfsファイルシステムになります。
nasneのハードディスク交換♯2 HDDの修復 – nishy software (ja)
mkfs.xfsコマンド使ってパーティション3をxfs形式でフォーマットします。mkfs.xfsのデフォルトのパラーメータでxfsフォーマットした場合、nasneから正しく認識されません。そのため、いくつかのパラメータを指定します。
具体的には、以下のパラメータを使用してフォーマットします。
mkfs.xfs -f -m crc=0 -d agcount=9 -i size=256,attr=2,projid32bit=0 -L user -n ftype=0 -s size=512 /dev/sda3
パーテーション 3はちょっとパラメータの指定が多いです。
# mkfs.ext3 -L sys1 /dev/sdc1
# mkfs.ext3 -L sys2 /dev/sdc2
# mkfs.xfs -f -m crc=0 -d agcount=9 -i size=256,attr=2,projid32bit=0 -L user -n ftype=0 -s size=512 /dev/sdc3
ファイルシステムの準備が終わったらファームウェアの配置です。
nasne故障復旧(HDD交換)後のnasneいじり #1 | etsugoro12のブログ
・簡単なnasneのHDD交換方法 (FW1.00で起動)
交換用HDDに所定のパーティションを3個作成し、fw1.00の00550066.dlmを入れる
sys1/55006600/00550066.dlm (1.00)
sys1/00550066.dlm (1.00)
sys1/00110022.dlm 148バイトの0x00
3ファイルだけを入れ
パーテーション2の中身は、最初の起動のときに作られるので、空でいいようです。
パーテーション3は録画データなどが入っているようですが、古いHDDから引き継ぐのは難しそうだったので諦めました。 よってここも空のままです。
して「fw1.00の 00550066.dlm」とは?
nasneのハードディスク交換♯2 HDDの修復 – nishy software (ja)
nasneのファームウェアのver.1.5以降はHDDの個体の情報に依存したつくりになっています。
たとえば、正常に起動するnasneのHDDから別のHDDにディスクイメージ全体をコピー(クローン)し、作成したHDDをnasneに接続したとしても、HDDが交換されたことを認識し、nasneは起動しません。
しかし、ver.1.5より前のファームウェアは、HDDの個体の情報に依存したつくりになっていません。この場合、正常に起動するnasneのHDDから別のHDDにディスクイメージ全体をコピー(クローン)し、作成したHDDをnasneに接続したら、nasneは起動します。
そのため、ver.1.5より前のファームウェアイメージが存在してることが必要です。
ウチの nasneはそもそも 3台とも v2.60になっているので、無事な 2台から得ることはできません。
バージョン 1.00 のファームウェアの詳細
ファイル名 00550066.dlm
ファイルサイズ 21,287,161 Bytes
MD5 1C921378F2A7846A6492982C98C82FCD
SHA-256 104AD970DC3FA61FA2394CE1FBD329C9522D64F04FEE8E05637ED820F24600E9
海外のサイト(?)にファイルサイズが一致するものがあったので拾ってきました。
ファイルのハッシュ値までは確認していません。 まあダメ元ですから。
00110022.dlm ファイルは148 バイト分 0x0 で埋めたファイルを使用する。
これに倣って
dd if=/dev/zero of=/media/nasne/sys1/00110022.dlm bs=1 count=148
とやって 00110022.dlm を作りました。
セットアップが終わった HDDを nasneの基板にセットします。
基板はケースに軽く載せたまま。 この状態で動作確認します。
nasne故障復旧(HDD交換)後のnasneいじり #1 | etsugoro12のブログ
電源を入れ、LED3個の点滅を待つ
再起動し電源緑の連続点灯を待つ
LANケーブルを接続し、ACアダプタからの電源プラグを挿すとブートが始まります。
2分くらいで緑(電源)、赤(録画)、橙(IPステータス)の 3つの LEDが点滅します。
いったん電源プラグを抜いて、10秒以上たってから再び電源プラグを挿します。
今度も 2分くらいで、緑が点滅をやめて点灯状態になりました。 無事起動に成功したようです。
スマホで torneを起動すると未登録の nasneが見つかりました(故障した段階で登録解除してあった)。
システムソフトウェアは v1.00のままです。 アップデートしろと言ってきますが、ここでいったんストップします。
nasneの電源を落として HDDを再びノートPCに接続して、パーテーション 1の内容を確認します。
ディレクトリが増えていますが、00550066.dlmのファイルサイズはまだ変わっていません。 v1.00のままで間違いないようです。
v1.00のファームウェア状態のパーテーション 1と 2をバックアップします(デバイス名が /dev/sdcから /dev/sdbに変わってますが気にしないでください)。
バックアップ先(/media/user/9C33-6BBD)はノートPCの sdxcカード(128GB)です。
# dd if=/dev/sdb1 of=/media/user/9C33-6BBD/nasne-p1_v1.img status=progress
# dd if=/dev/sdb2 of=/media/user/9C33-6BBD/nasne-p2_v1.img status=progress
再び HDDを基板に戻して電源On。 nasne-HOMEにアクセスして、今度はシステムアップデートを実行します。
システムソフトウェアが v2.60になったら、名称やチャンネル設定などを行います。
基板をケースに収めて復元し、外付け HDDを USBポートに接続して電源On。 今度も問題なく起動しました。
これで HDD故障からのリカバリーができるようになりました。
HDD交換に失敗したら、来週の Amazonプライムデーでバッファロー版 nasneを買おうかと思っていました。
内蔵HDDに録画されていたデータは失われたものの、1万円の HDDで 3万円を節約できて、録画容量が 1.5TB増えたことになります。
残り 2台の nasneもいずれ HDDが故障するときが来ると思いますが、その頃にソニーがまだファームウェアの配布を続けているかは定かではありません。
もしも配布が終わっていたら v1.00のまま使い続けることになります。
今のうちに v2.60が入った HDDを作っておこうかな?