7/5(水)に井上ボーリングへ送ったシリンダーとピストンは、ボーリング加工を終えて 7/15(土)に返送されてきました。
先週末は日曜日に嫁の実家でイベントがありツーリングに行けなかったので、土曜日に組み込み作業を行いました。
ボーリング加工のために送ったのはシリンダーとピストンのみ。 ピストンリングは不要です。
ピストンクリアランスを指示したオーダーシートを同梱しています。
傷(クロスハッチ)が残っているように見えますが、これは油膜を保持するためにわざと残しています。
ピストンクリアランスは 0.03~0.04mmと指定しました。
結果的には 0.035mmと真ん中を狙った数値になっています。
マトモなノギスは職場に持っていってしまったので、安物デジタルノギスでボアを測ると 53.2mmになってしまいました。
これ以降の測定値は 0.1~0.2mmくらい小さめに出ている可能性が高いです。
シリンダースリーブの外径は 58.2mm。
厚みは 2.3mm。 0.5mm薄くなっているはずですが、これくらい残っていれば剛性に問題はないでしょう。
形はノーマル(Φ52.4)と変わらない 1.0mm O/Sピストン。
ピストン径は 53.0mm? 本当に信用できないノギスです。
ピストンピン(Φ13)からピストン頭までの距離は 13.2mm。 ピンの中心からだと 19.8mmくらい?
TKRJによると古い Wave125i(KPH)用は 19.7mmだそうです。
キッチンスケールで重さを量ってみます。 単体だと 83.45gでした。
ピストンリングも当然 1.0mm O/S。 重さは 5.56g。
ピストンリングは「R」の刻印が入っている右側がトップリングです。 刻印が上側になります。
さて、これから組み込み作業です。 新車からの走行距離は 69,167kmでした。
外装をここまで外さないと腰上の整備ができません。
シリンダーヘッドを外すとカーボンが堆積したピストンが顔を出します。
当然シリンダーヘッド内にもこびりついています。 ここまでくると少々洗浄剤をガソリンに混ぜたくらいでは綺麗になりませんね。
堆積する前に洗浄剤を使っていけば綺麗なまま使っていけるのかな?
ピストン側面の当たりはそこそこに。
ピストン内側の造形に差異はなし。
ノーマルピストンの重さは、ピストンリングとカーボン込みで 83.71g
1.0mm O/Sピストンは 89.00gなので 5.29gも重いことになります。 1円玉 5枚分以上の違いです。
純正部品なので外径が大きくなっても重量は揃えているのかと思ったのですが。
燃焼室のカーボンはマイナスドライバーとピカールでこそぎ落としました。
大変なのはスクレーパーでシリンダーガスケットを剥がす作業。 クランクケース内に破片が入らないように養生する必要があります。
スクレーパーで取り終わったらオイルストーンを掛けます。
新しいピストンピンが手配漏れだったのは失敗でした。 10万kmでクラッチ系の整備をする予定なので、そのとき忘れずに交換しよう。
ピストンピンのクリップを嵌めるのは苦手なんだよね。 だいぶ苦戦しました。
発注漏れといえば、シリンダーのカムチェーンローラーもその一つ。 だいぶ摩耗していますが、これも次の機会に交換します。
Lクランクケースカバーのサービスホールからフライホイールに刻まれた刻印を確認します。
最初はこの写真に見える黒い丸がタイミングマークかと誤認してしまいましたが、実際にはその外周にFマークとTマークが刻まれています(薄くて気が付かなかった)。
黒い丸に合わせたら、カムスプロケットの◯印がてっぺんに来ないのでおかしいなとは思ったんですが。
結果としてカムスプロケットで 1山ズレた状態で組んでエンジン始動までやってしまいました。
ハイカム+ハイコンプピストンだったらピストンとバルブが衝突したかもしれませんが、そこはノーマルなので大丈夫でした。
カムスプロケットを正しく組み直して、改めてエンジン始動。 カムチェーンテンショナーのオイルが一度抜けたので、始動直後はメカノイズがうるさいですが、しばらくすると落ち着きました。
これで軽二輪への登録変更の条件を満たしたことになります。
明日有休を取って市役所で原付ナンバーの返却と廃車証明を貰ったあとに、陸運局へ行って軽二輪のナンバープレートを取得する予定です。