三菱自動車、経営陣総退陣へ

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NIKKEI NET:三菱自動車、経営陣総退陣へ

同社は現在、筆頭株主の独ダイムラークライスラーや三菱グループによる3000億円規模の増資引き受けや、千数百人規模の人員削減を検討している。取締役すべてが経営責任を明確にすることで、ダイムラーや三菱グループの全面的な支援を取りつけ、4月末に発表する再建計画の円滑な実行を目指す。

三菱自動車ネタが続きます。 3000億円どころか、5000億円必要という記事も出ています。

Mainichi INTERACTIVE 三菱自:再建に5000億円強必要 ダイムラー算定

ダイムラーと三菱グループ3社は当初、2000億円規模の増資で支援する予定だった。しかし、北米事業の不振が予想以上に深刻で、国内販売も落ち込みが止まっていないため、特別チームは再建には思い切ったリストラが不可欠だと判断。国内外の生産拠点再編や人員削減など大規模なリストラに伴う損失処理や、新車開発費用をねん出するために、大幅な上積みが必要になった。

ダイムラーは逐次戦力投入の愚にハマらないように、今度は覚悟を決めてやらないと。

YOMIURI ON-LINE / 三菱自動車再建へ、政策投資銀行に融資1千億を要請

このため、東京三菱銀は、増資だけでは再建は軌道に乗らないと判断し、政策投資銀に融資を求めることにした。
要請を受けた政策投資銀は、三菱自の資金繰りやリストラを支援する低利融資を実施する方向だが、最終的な融資額は数百億円規模にとどめる可能性もある。

これまでの(ふそうを含めた)三菱自動車の状況を見ていると、お金だけの問題ではないですよね。 財政面のテコ入れで一時的な延命は図れるとしても、競争力の源泉は新車開発力と工場生産性です。 ダイムラー傘下になってから、当たったのが軽のekワゴンだけでは・・・。

三菱が再建に際して参考にすべきは、日産ではなくマツダでしょう。 マツダも販売台数はそれほど増えていませんが、欧州フォードとのエンジン/プラットホームの共通化で、少ない台数で利益が出せる体質になってきました。
そういう意味ではクライスラーと現代(こちらの方が期待できる)との連携がカギかと。

続報です。

 レスポンス | 三菱が日経記事に否定コメント

三菱が4月30日に再建計画を発表するのを前に、報道合戦が過熱しており、とくにこれまでの報道について三菱広報は「憶測についてコメントしない」としてきた。このため、報道側がますます過熱、「何を書いても文句を言われないサンドバック状態」で、「一部の記者は取材による言質もとらずに想像の世界で書いている」とも言われているほどだ。

騒がれているウチはまだいいけどね。

さらに続報。

Mainichi INTERACTIVE 三菱自:再建に必要な資金7000億円 独誌報道

ただ三菱自の子会社化案には、ダイムラーの財務担当のゲンツ取締役が慎重な意見を表明。子会社化すれば、ダイムラーの連結決算を大幅に悪化させ、財務格付けの引き下げにつながるとの理由からだ。

ここが正念場だね。 ダイムラーの腹が据わらなければ、三菱自動車支援策は空中分解してしまいます。 その場合は、カネボウのように産業再生機構を活用するしかないでしょうね。

Mainichi INTERACTIVE 三菱自再建:ダイムラー出資4割超に 三菱グループと折半

ダイムラーは、生産拠点集約などのリストラに加え、アジア事業強化や新車開発のための資金などを含めて総額5000億円規模の資金支援が必要と主張、三菱側もダイムラーがより三菱自の経営に責任を持つことを条件に同意した。

やはり完全子会社化(50%超)はしないのですね。

YOMIURI ON-LINE / 三菱自動車の再建策、国内2工場集約で最終調整

国内拠点では、乗用車を生産している岡崎工場(愛知県岡崎市)か、SUV(スポーツ用多目的車)を生産している全額出資子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)のどちらかを閉鎖する方向で検討している。岡崎工場は試作工場として一部を残す可能性もある。
海外生産拠点では、北米向け輸出が多い豪州工場の閉鎖を検討する。ただ、豪州政府などが存続を求めており、閉鎖するかは流動的だ。北米地域は販売も含め事業を大胆に縮小する。米イリノイ州にある米国工場での三菱自車の生産量を減らし、代わりにクライスラー車の委託生産を増やす。全米に約750ある販売店舗網も削減する。

昔、大和銀行など不祥事を起こした邦銀が事業を縮小していった経緯を思い起こしますね。

Yahoo!ニュース - 共同通信:生産車種半減、10程度に 三菱自、「パジェロ」販売中止も

生産分野では、現在生産している19車種を段階的に10車種程度に半減。スポーツタイプ多目的車(SUV)「パジェロ」の国内販売中止も検討する。
高級車や大型車から事実上撤退し、中・小型車、軽自動車などに集中する。これまで予定していなかった新車の年内投入を目指し、ダイムラークライスラーと調整。効率化を進めるため、ダイムラークライスラー車種を三菱自の工場で生産する可能性もある。

品揃えの為だけに、ダイクラ車の委託生産・販売するなら、さらにひどい状況になりそう。 だって、国内最強の販売チャネルであるトヨタのカローラ店でさえ、キャバリエ(GM車)を年間2万台売る目標を達成できなかったのです。 三菱の販売網ならおして知るべし。