みちのく二人旅(3日目)

2005年 7月24日(日)

2日ぶりの布団でぐっすりと眠れた。
農家の朝は早い。 5時には起きて仕事を始めている。 そんな様子を感じながら、また眠りの中におちていく。

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予定通り7時に起床。 朝食を頂く。

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08:24 家族の皆さんに見送られて出発する。 大変お騒がせをいたしました。 でも、ぜひまた泊めてください。

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これから八幡平へと向かうのだが、その前にスタンドで給油する。

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R105を離れて県道321号線へと入る。 気づかずに通り過ぎてしまいそうな分岐だが、さすが地元。

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しばらく行くと、農道のようだった道が急に立派になる。 対向車は皆無で走りやすい。

08:49 やがて宝仙湖でR341にぶつかる。 湖岸に沿って走る。

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09:10 しばらくは気持ちよく走っていたのだが、やがて沢沿いの急勾配の道で、モクモクと黒煙を吐くバスに追いついてしまった。 幸い、2kmくらい進んだところで、新玉川温泉の方へ行ってくれた。

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09:15 自分のリクエストで、玉川温泉へと立ち寄る。 ここは、ガンなどの難病の方が湯治に訪れることで有名な温泉場だ。

ゴザを持って歩く姿は「玉川スタイルという」(M談)らしい。

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整備された歩道を歩いて源泉の方へ。

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この温泉を特別なものにしているのは、この北投石の存在である。 特別天然記念物なので、採掘は禁止されている。 そういえば、自宅の近くの日帰り温泉に、この北投石があるが、あれは台湾から持ってきた物のようだ。

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玉川温泉は単一の源泉としては日本一の湧出量を誇る。 ボッコボコと半端でない量が湧き上がっていた。

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この低い木の柵の向こうは源泉である。 ガスで柵がもろくなっているかもしれないから気をつけて。

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源泉を過ぎても、まだ歩道はつづき、往来は激しい。 その先は?

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そこはまるで”賽の河原”。 荒涼とした風景が広がっていた。

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あちこちで水蒸気が上がり、硫黄の臭いが立ち込める中、たくさんの人が地面にゴザを敷いて横たわっている。 これが玉川温泉特有の”岩盤浴”である。

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地熱で北投石の岩盤が熱くなっている。 熱した北投石から出る放射線が、難病治療に効果的なのだとか。

適度な暖かさの岩を選んで、自分もバスタオルを敷いて横になってみる。 体の奥まで暖かさが伝わってきて、ジンワリと汗をかいてくる。

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15分ほど”体験入浴”したあと、通常の温泉の方にも漬かってみる。 湯船は濃度に応じて分かれているのだが、やはり100%源泉掛け流しに漬かる。 玉川温泉は強酸性なので、日焼けが沁みるかと思ったが、そうでもなかった。 むしろ蚊に食われた痕の方が沁みる。 Mは湯船で顔を洗ってしまい、目に沁みたらしい。 アンタ、地元でしょ・・・

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風呂上りにMが買った温泉たまごをいただく。 酸で殻が溶けて薄くなっているので、剥きにくい。 でもんまい。 10:55 出発。

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玉川温泉を後にして、焼山をぐるりと半周し、八幡平アスピーテライン(県道23号線)の入り口へ。 ここが今回のツーリングでの最北端となった。 時刻は11:14。 北緯40度線突破である。

少し上ったところに、後生掛温泉がある。 Mはここのひなびた感じが好きらしい。 確かに同じ湯治場でも、玉川の賑やかさとは対照的だ。 アイスを食べながら、しばし散策。 時間があれば入っていきたかった。

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30分ほどして出発しようとしたら、Mのグローブの上にトンボが止まっていた。 しばらくどいてくれなかったのは、Mの名残惜しさか。

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アスピーテラインを駆け上がる。 標高1,500mを超えるとTシャツ1枚では寒い。

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12:00 見晴台に到着。 ”アスピーテ”とは、なだらかな山形のことらしい。

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たぶん、リッター・レプリカで走るには一番楽しい道なんじゃないかな? もちろんキャンプ道具満載のトランザルプで走っても楽しかったが。

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岩手県側に降りてくると、太陽が顔を出してきた。 残念ながら、岩手山は雲に隠れて見えなかった。

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12:30 山から下りてきて柏台のあたりで、交通事故現場に遭遇。 ミニバン同士の側突事故だったようだ。 近くの道の駅でトイレ休憩。 気をつけないとね。

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R282に入って南下し、R4に合流。 盛岡を目指す。 途中で乗用車4台による玉突き衝突現場に遭遇。 盛岡市街に入ると、R4はとたんに流れが悪くなる。 信号多杉。

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Mは大学時代を盛岡で過ごした。 盛岡へ立ち寄ると必ず行く、というか冷麺が食べたいが為に盛岡へ寄るというお店へ。

13:35 案内してくれたのは、R4沿いにある本当に営業してんのかアヤシイお店。 一見ならまず入る勇気がないだろう。

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店内は学生や、近所のおばさん達で賑わっていた。 冷麺大盛と、ホルモンとレバーを2人前ずつ頼む。

本場の冷麺はとても美味しかった。 キムチ(カクテキ)と唐辛子はお好みで。

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心霊写真ではない。 このグリルがまたいい感じである。

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ホルモンも美味しかった。 あー、ビール飲みたい!!

満腹感で動きたくない感じだが、時刻は既に14:30。 予定より大幅に遅れている。 今日は、栗駒山を攻めて仙台まで行く予定だったのだ。

店を出て、炎天下の駐車場で対応策を検討する。 店を出る前に検討すればいいのに、腹が一杯で頭が回らなかったのだ。 Mは「ねみー」を連発している。 このまま盛岡で泊って、栗駒は諦めるか? それとも栗駒山でキャンプする?

Mは、この「栗駒山でキャンプ」という案にグッとキタらしく、重い腰を上げて出発することに。

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15:00 盛岡南I.C.から東北道に乗る。 渋滞のストレス発散でぶっ飛ばす。 Mはまた眠くなったのだろうか、後方で見えなくなってしまった。

結構なペースで走っていたら、後方からヘッドライトの光が。 Mかなと思ったのだが、近づいてくるとヘッドライトが2つ。 マズイ!! 急いで減速する。

近づいてきたクルマは白い覆面パトカーだった。 だが、パトライトを光らせたまま、追い越して先へと行ってしまった。 その後、ようやく追い付いてきたMと、休憩のため15:35 前沢S.A.へ。

眠気覚まし(?)にプラムを食べるM。 食わせてもらったが、甘くてジューシーだった。

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16:11 一関I.C.で降りる。 まずは酒屋で酒を調達する。 聞き込みによると、I.C.から西側にはスーパーは無いらしい。 仕方なくコンビニで食料を買い込む。 ついでに花火も購入。 ここから栗駒山へは、R342で一本だ。

ところが走り出してしばらくして、Mがガスが残り少ないと言ってきた。 ツーリングマップルでも、この先にスタンドらしき物はない。 仕方なく引き返すと、I.C.を通り過ぎて一関市街まで行ってセルフを発見して無事給油。 ついでにジャスコも発見。 先に給油すれば良かったな。 時刻は17:02。 ずいぶん時間を無駄にしてしまった。

日曜の夕方にこれから峠に向かうクルマはなく、ハイペースで飛ばす。 片側が崖ではないけれど、R139の松姫峠みたいな道だ。 カーブの連続に飽きてくる。 R342から栗駒道路へ入り、17:50 ようやく須川温泉に到着。 まずは入浴時間を確認。

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秋田県側にも温泉がある。 Mがこちらには入ったことがあるらしい。 入浴時間を確認すると、18時まで(あと5分!)らしい。 テントを設営してから入りたいので、須川温泉に決定。

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18:05 入り口を通り過ぎてしまったりしたものの、なんとかキャンプ場に到着。 だが管理人は既に帰ってしまっていた。 使用料金は明日払うとして、とりあえずテントを建てなければならない。

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だがテントサイトは常設テント用で、木製のテーブルになっていた。 こんなのは初めてだったので戸惑ったが、なんとかペグで固定することに成功した。

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自分達以外の客は、駐車場に停まっている2台のキャンピングカーのみ。 テントサイトには誰もいない。 雰囲気が暗くないのが救いだが、ちょっとホラー映画的な展開を想像してしまう。

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急いで須川温泉へ引き返して露天風呂へ。 正直に言って、あまり期待してはいなかったのであるが、脱衣所から浴場へ出たとたん「ウオッ」っと声を上げてしまった。 「日本秘湯を守る会」の提灯はダテではない。 何に驚いたのかは、実際に行ってみて確認してほしい。 時間的には、今回のような夕暮れ時が一番いいのだろう。 肝心のお湯も、温泉マニアのMが満足する泉質であったことを言い添えておく。

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19:30 サッパリしたところでテントへと戻る。 もやしを炒めて玉子を落として、塩コショウで味付け。 ヘッドランプめがけて飛んでくる”夏の虫”も調味料。

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腹が一杯になったので、男二人で花火を楽しむ。 打ち上げ花火など、豪快な花火があれば良かったのだが、手持ちタイプしかなかった。 よくキャンプ場で周囲を省みずに花火で騒ぐ輩がいるが、ああいう風にはなりたくなかったのだ。

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両手をグルグル廻して豪快さを演出してみる。 残像が残って好評だったのだが、フラッシュを炊くと非常にマヌケだ。

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線香花火には、ロットによって”保ち”がいいヤツと、そうでないヤツがあることを発見。

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これが最後の一個。 腹を抱えて笑いながら、「むなし~」「さびし~」を連発するM。 壊れたか?

片付けて21:30 就寝。

日付が変わった頃、急に風が強くなり目が覚める。 外へ出てみると、湖の上に丸いお月様が出ていた。 早いもので、明日はいよいよ最終日。 500km近くを走らなければならない。 頑張ろう。