ディーゼル排ガスで自閉症発症の可能性

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

毎日新聞 - <ディーゼル排ガス>胎児に影響、自閉症発症の可能性

研究グループは、妊娠中のマウスに、大都市の重汚染地域の2倍の濃度に相当する1立方メートル当たり0.3ミリグラムの濃度のディーゼル排ガスを、1日12時間、約3週間浴びせた後に生まれた子マウスと、きれいな空気の下で生まれた子マウスの小脳をそれぞれ20匹ずつ調べた。
 
その結果、細胞を自ら殺す「アポトーシス」と呼ばれる状態になったプルキンエ細胞の割合は、ディーゼル排ガスを浴びた親マウスから生まれた子マウスが57.5%だったのに対し、きれいな空気の下で生まれた子マウスは2.4%だった。また、雄は雌に比べ、この割合が高かった。人間の自閉症発症率は男性が女性より高い傾向がある。
 
さらに、プルキンエ細胞の数も、排ガスを浴びたマウスから生まれた子マウスに比べ、きれいな空気下で生まれた子マウスは約1.7倍と多かった。

出張へ行く直前に読んだ毎日新聞のこの記事、ちょっと気になりますね。

ディーゼルの排ガスが悪影響があるとして、何の成分が原因なのか? 最近のディーゼルは黒煙を出さなくなってクリーンになったと言われていますが、実はナノ粒子の排出は増えているという話もあります。

平成17年9月30日号/科学新聞 「大気中に存在する新しいタイプの内分泌かく乱物質」

通常、有害な物質が入り込まないよう、母親と胎児の間には血液胎盤関門、脳または生殖器など重要な部位には、脳血液関門、精巣血液関門が設けられている。しかし、前述した電子顕微鏡による観察の結果から、ナノ粒子はこれらの関門を通過した可能性が高いと考えられる。なお、グループはとくに脳血液関門は、胎児期では未発達で、物質は通過しやすいことを確かめている。
 
また脳内に存在するスカベンジャー細胞は、本来、血液中の異物を取り込んで処理するはずのものだが、菅又氏らは、この細胞がナノ粒子を取り込むことで、細胞内のナノ粒子に付着した様々な化学物質が溶け出して細胞が死に、その結果、脳実質内に残留したナノ粒子により周辺の組織に影響を与えているのではないかと予想している。
 
実際、ナノ粒子を取り込んだスカベンジャー細胞の一部はアポトーシスを起こし、周辺の細胞にも影響が出ており、特に末梢の細い血管の内側を被っている内皮細胞が死んで、狭窄を起こしていることが観察された。

とにかく、妊婦の方はディーゼル排ガスを吸わないに越したことはないと思います。