次世代光ディスクは現代のイオージマか

いやあ、面白いなぁ。 こういうの大好き。 まずはSONYの主張。

ITmedia D LifeStyle:BDの「ソニー」対HD DVDの「東芝」――それぞれの主張

――最後にこれからの動きをどのように予測していますか? HD DVDに対応した中国製の安いプレーヤーも登場してきます。
 
Victor松田氏: 日本でHDパッケージが再生可能な家電製品のうち、BDをサポートしている機器は96%です。これに加えてPS3もあります。北米ではそこまで極端な数字にはならないにしても、トレンドとしては同じ。日本市場の方が先に結果が出ただけです。
 
つまり、こういうことです。HD DVDはプレーヤーをBDよりも先に商品化できました。しかもプレーヤーの価格は安い。十分な先行期間があったわけですが、その間、BD側は焦らずじっと我慢して準備を進め、やっと第4四半期に各社がBDプレーヤーを発売し、PS3が出荷されて対応の準備が整いました。ビジネスがスタートすると、ほんの2カ月で逆転できたというのが流れです。
 
コストに関しても、実はHD DVDプレーヤーが高価であり、中身のコストは第2世代でもBDプレーヤーと変わらないことが米国では報道されています。東芝が戦略的に安い値段を付けただけで、実はコストは同じなんです。では今後はと言えば、売れれば売れるほど部材が安くなる。PS3が売れるほどピックアップが安くなり、BDプレーヤーの値段が下がっていきます。
 
今まではこうしたシナリオを“未来形”で予測としてしか言えませんでした。しかし、今ならば“現在進行形”で語れますし、実際の数字も出てきている。あと1年もかからず、数カ月で北米でも決着が付くでしょう。

「もうゲームオーバーですよ。」とまで言ってますけど、本当に大丈夫なんですかね? PS3も売れ行きがあまり芳しくないようですが。

対する東芝も負けてはいません。 相変らず強気です。

――HD DVDの年内出荷目標は180万台という、かなり大きな数字です。その根拠となっているのは、どうしたデータなのでしょうか。
 
内山氏: データの基本はHDTVの世帯普及率です。現時点で北米ではHDTVの世帯普及率が20%にまで達しています。これに2007年になって売れる数なども計算に入れると、北米のHDTVユーザーは2007年には5500万世帯に達します。しかも、2009年のアナログ停波を控え、このペースはさらに加速される可能性が高いと言われています。仮に5%が次世代プレーヤーを導入すると考えると、ざっくりと300万台の需要がある計算です。プレーヤーの価格優位性も鑑みれば、そのうちの180万は少なくとも我々が取れるでしょう。
 
――その計算のうち、180万台以外の120万台はBDプレーヤーということですか?
 
内山氏: いえ、180万という数字は、あくまで東芝製プレーヤーの見積もりで、他社が120万台を分けることになります。中国製の低価格HD DVDプレーヤーも登場します。それらとBD支持の各メーカーが120万台の市場を分けることになると考えています。

すごいねぇ。 BDプレーヤーはもはや「その他」扱いです。 獲らぬ狸の皮算用ってのはこのことかと。 別の記事で、藤井常務はこんなことも言ってますしね。

【CES】2006年の次世代DVD戦争を総括する - デジタル家電 - Tech-On!

HD DVD陣営は,2007年のHD DVDプレーヤー(パソコンやXbox 360に向けた装置を含む)出荷台数について,北米だけで250万台以上を見込んでいることを明らかにした。「どう悲観的に見ても,180万台以上は確実に出荷できる」(東芝 執行役上席常務 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏)。出荷台数が一気に伸びることで,北米でのパッケージ・メディアの売上高は2006年の40倍となる6億米ドルになると予測する。
 
(中略)
 
「いや,この(180万台という)数字はいくらなんでも保守的では,と周りから言われましたが・・・・」(東芝の藤井美英氏)

HD DVD搭載の東芝製PCも含めず、家電プレーヤーだけで北米で180万台以上出荷できるということのようです。 全世界だともっと多いのでしょうね。

これでHD DVDがBDを圧倒したら、確かに藤井常務は神なんだけど、負けたら土下座どころじゃ済まないよね。 会社傾くよ。 どっちに転んでも歴史に残る人物だとは思うけど。 だれか映画化してやれ。
でもこんなリスクの高い賭けに出るよりも、もっと別の方法があったんじゃないかと思うんだけどな。

専用プレーヤーだけでなく、プレーヤーとしてのPS3をどうみるかと言う点でも意見が分かれているようです。

【麻倉怜士CES報告8】PS3はBD-ROMプレーヤである?! - デジタル家電 - Tech-On!

米国市場では2006年末までに100万台の「プレイステーション 3」(PS3)が売られたが,調査によるとそのうち80%のユーザーがBlu-ray Discプレーヤとして活用しようと思っているという(つまり統計上は一挙に80万台のプレーヤーが増えた)。この調査は,ソニーが1万人のPS3ユーザーに聞いたものだ。同じ調査で,もうひとつ面白い結果が出ている。それは「回答者の75%は,映画を見るデバイスのうちでプライマリ・プレーヤとして活用したいと思っている」というもの。これは一般に予想されていたより,かなり多い割合だ。
 
(中略)
 
ただし今回の調査に関してHD DVDグループ側のキーパーソンに聞くと「我々の調査データでは,そんなにPS3をBD-ROMプレーヤとして活用している人が多いという結果は出ていない」という。う~ん。さて,真実は?

純粋なゲーム機としてPS3を買ってる人は、むしろ少ないんじゃないかと思うけどね。 ゲーム専用機としては高すぎるでしょう。 DVD再生機能もない現行Wiiくらいの値段がいいところじゃないかと。