第5回「ハイブリッド対ディーゼル戦争の内幕」(07/07/24)-コラム:日経Ecolomy
1リットルのガソリンが燃えると、およそ2.3kgのCO2が発生します。ちなみに1リットルのガソリンの重さは約0.75kgです。
日本の自家用車の平均走行距離は、1ヶ月に500kmほどです。しかし、一般的な自家用車のオーナーは1ヵ月に1000kmほど走るのではないでしょうか。
こうした走行距離では、高速道路よりも一般道の走行が主体でしょう。また、排気量を平均的な2リットルとすると、こうしたケースにおける燃費はリッター6kmほどです。この燃費で1年に12000km走ると、ガソリンの消費量は2000リットルです。
2000リットルのガソリンを燃やすと、4600kgものCO2が排出されます。一般的な乗用車のオーナーは、1年間で4.6トンものCO2を排出していることになります。これを2リットルのペットボトルに入れると、なんと130万本にもなります。重さにしても、体積にしても、とてもクルマの中や自宅にしまっておける量ではありません。
なるほどね。
個人的には温暖化云々よりも、石油資源の枯渇の方が心配です。 省エネの結果、CO2も減ったらいいね。
興味深いのは、
さて、ディーゼル車は、ヨーロッパで販売台数を伸ばしています。台数が伸び始めたのは2000年近傍からで、フランスから始まりました。
フランスでディーゼル車の販売台数が増えた背景には、軽油税の安さがあります。フランスの軽油税はガソリン税の70%とEUの平均に比べて安いのです。ちなみに、イギリスではガソリンとほぼ同じです。そして、イギリスではディーゼル車販売台数は増加していません。
軽油税が安くなったのは、軽油を使う、つまりディーゼルエンジンを使う、農民、漁民、トラック業者に対する税制上の配慮からです。もちろん、そのまた背景には選挙での集票があるのでしょう。
軽油税の優遇は、都市部のディーゼル乗用車ユーザーにも及びました。どうやら、ここにフランスのディーゼル乗用車販売台数増加の理由があるようです。つまり、地球温暖化防止というよりも、経済的な理由だったということです。
ホンダがもし英国でなくフランスに工場を建てていたら、ディーゼル参入は10年早かったかもしれませんね。
でも、同じように軽油に対して優遇税制を敷いている日本では、ディーゼル乗用車は普及しませんでしたね。
コモンレール式ターボ・ディーゼルの登場がもう少し早ければ、排ガス規制に掛かる前に市民権を得たのかもしれませんが。