気になって、Wave110(NF110)のパーツリストも見てみました。 Wave110とは、NICE110(ZN110)の自動遠心クラッチ仕様を載せたWaveです。
まずオイルポンプ(No.1)ですが、Wave125と同様にこちらもダイレクト駆動です。 支那エンジン(無変速)はNICE110をベースにしているんですね。
カムスプロケット(No.1)も2穴32Tですが、Wave100とは微妙に型番が違います。 カムチェーンは支那と同じ90リンクです。
カムチェーン・ガイドローラー(No.9、シリンダーに付くヤツ)も、Wave100が日本の12V系と同じであるのに対し、型番が違います。 そういえば支那のローラーも、ジョルカブのとは大きさが違いました。
これはWave100も同じなんですが、ギヤチェンジスイッチは支那と同じタイプです。 これはシフトドラム側のコンタクトプレートAssy(No.5)。
そしてチェンジスイッチ・コンタクトAssy(No.5)。 支那とは固定方法がちょっと違います。 絵では同じに見えますが、Wave100とは型番が違いました。 おそらくシフトパターンの違いによるものだと思います。
Lクランクケース(No.3)も支那と同じです。 日本のカブ系のコンタクトスイッチから変更したのは、コストダウンの為でしょうか?
これはシリンダーの図ですが、支那の場合、車載状態で右下のスタッドボルトに、つば付きの黒いカラーが入っていました(シリンダーとヘッドの間)。 でもWave110にはありませんね。
ついでに、タイカブC100EXにも言及しておきましょう。 カムスプロケットは28T、カムチェーン・ガイドローラーやギヤポジションスイッチもジョルカブと同じ12V系です。 カバー,R.シリンダーヘツドサイドがフィン付タイプですが、Wave110とは型番が違います。
支那エンジンには無数のバリエーションがあるので一括りにはできませんが、私が入手したタイプは、シリンダーヘッド以外はWave110のエンジンの忠実なコピーといっていいと思います。 Wave110はボア50mm×ストローク55.5mmの109ccですが、ボアだけWave125と同じ52.4mmにアップした感じです。
ただ、何故シリンダーヘッドの外観はタイカブC100EX風なのに、カムシャフトはモトラ・タイプなんでしょう? 12Vのカムシャフトは製造し辛いのかな?
尤も、Wave110は上セル仕様(セルなしもある)であり、ジョルカブと同じ下セル仕様はありません。 一時期、真剣にタイからWave110のエンジンをハンドキャリーしようかと思いましたが、セルの位置がネックとなり断念したのでした(キック始動はイヤなので)。
一説には、ホンダの現調メーカーから図面が流出したとかいう話もあるみたいです。
”本物”のWave110のエンジンは、オークションではかなりの高額になってしまいますが、支那は安く入手できるのでいいですね。
よく「125ccのエンジンは振動が大きくて、110ccよりも耐久性に劣る。ホンダが従来設計は110ccに留めて、125ccは新設計にしたのが証拠」みたいな話もありますが、どうなんでしょうね?
ケースの強度は別にして、ストロークはWave125の方が大きいですし、Wave110をボアアップしただけの120ccエンジンは、振動もWAVE110並じゃないかと予想しています。 シリンダスカートも、88ccボアアップキットよりはよっぽど厚いし、HM純正50ccを改造するよりは耐久性があるんじゃないかなぁ(希望的観測です)。