松下の“ミスターBD”小塚氏が語る「Blu-rayの現状」 - 西田宗千佳のRandomTracking
小塚:まず、Microsoftがなぜ、あれ程HD DVDをサポートするのか? という疑問があります。Microsoftにとって、光ディスクはそんなに重要な技術とは思えないのにもかかわらず、です。
(中 略)
5年前、韓国ではDVDが売れていました。でも、今はブロードバンド配信が広がって、DVDの売上がほぼゼロになってしまいました。映画会社は韓国オフィスを閉鎖して、日本オフィスと統合しています。もちろん、韓国というブロードバンドが凄く発達した国の特有な事象でしょうけれど、日本やアメリカであり得ない話、というわけではないと。つまり小売りが中抜きとなることに本気で不安視しています。このような状況では、味方は増えないと思いませんか?
-Microsoftが、「自分たちだけビジネスがうまくいけばいい」と思っている、ということですか。
小塚:そう思わざるをえないと思いませんか? それには、みんな抵抗するでしょう。
東芝を家電メーカーとして考えてしまうので、この問題はベータ対VHSと同じ文脈で語られてしまうのですが、「世界一のノートPCメーカー」とか「PC用光ドライブメーカー」としてみれば、腑に落ちるような気がします(BD支持だったhpがHD DVDとの両天秤に移行した理由なども)。
それにしても、パラマウントの話が出てすぐにMicrosoftの名前を持ち出すということは、お金を払ったのはやっぱり...なんでしょうね。
一方、米MicrosoftのWindowsデジタルメディア部門担当コーポレート副社長のアミール・マジディマール氏は「Microsoftは、今回の件に関してインセンティブを支払ってはいない」と応じている。確かにMicrosoftが直接、映画スタジオに大量の現金を支払うことはないだろう。共同プロモーションをMicrosoft主導で行なうというのも、やや不自然な話だ。
ただMicrosoftの場合、Windowsのライセンス費用やPC関連製品の共同開発などを通じれば、東芝などの第三者を通じてインセンティブを与えることは不可能ではない。つまり事実関係を推測はできても、追跡は非常に困難ということだ。
実際、東芝が1億5,000万ドル払ったとしたら、HD DVDの利益では永遠にペイしないだろうしなぁ。
また1億5,000万ドルのインセンティブがHD DVD支持の理由と報道されたことについて、小塚氏は「相当する金額のキャッシュによるディールがあったとの話は聞いているが、日本円で約180億円もの金額となると家電メーカーとしては信じがたい数字だ。現在の情勢から計算すると、180億円の利益をBDレコーダー/プレーヤーで出すためには10年ぐらいかかる。メーカー側のビジネスとしては通常あり得ない。一方、DVD成立前のSD対MMCDの時にも100億円程度での取引の話は、実際に持ちかけられたことがあったと聞いているが、メーカーとして経済的な合理性から応じることが出来る金額ではない。映画スタジオ側からすれば妥当な金額と言えるかもしれない」と話す。
一部には特許料が目的ではないか? との指摘もあるが、「今のDVDと同じぐらいの市場規模になれば、確かに年間100億円単位の収入になる可能性はある。しかし、DVDと同じぐらいに普及するかどうかは賭けだ。不確実な賭けに180億円もの金額を投じる者はいないだろう(小塚氏)」と否定的な見解だ。
Microsoftにしたら、「パイプライン」をおさえることが出来たら、油田や製油所を誰がもっていようが関係ない。 継続的に利益を得ることができると考えているのでしょうね。 その為には、HD DVDを含めた光ディスクそのものを抹殺したいのではないかしらん?