夕方に思い立って、支那エンジンのカムチェーン・テンショナーを取り出してみました。
左が支那エンジン(無変速)から取り出したテンショナー。 右がジョルカブのHM純正です。
一見して、スプリングの素線径が違うのが分かりますね。 支那が0.8mm、HMが0.6mmでした。 押した感じの反力も、かなり違います。 自由長はほぼ同じです。
底のボルトも、支那(左)の方がねじ部の長さが2mm長いです。 プリロードが強くなる方向ですね。
プランジャ部分は、支那(左)の方が穴の入り口を面取りしているので大きく見えますが、ほとんど一緒です。 底面のボールが入っている部分の構造も同じでした。
確かに、カムスプロケットを取り付ける際に感じるテンショナーの力は、HM純正より支那の方が強いなぁと思っていました。 それが裏付けられたことになります。
12Vエンジンのカムチェーン・テンショナーは、エンジンオイルを利用したオート調整式になっています。 スプリングはあくまで補助的なもので、テンションを保つのはエンジンオイルです。
支那エンジンのスプリングが強化されている理由はわかりませんが、エンジンオイルが極端に減った状態でもスプリングだけでテンションを保てるように考えたのかもしれません。
ここで一つの仮説を立ててみます。
「支那エンジンのテンショナーから、スプリングを取り除いて代わりに適当な長さの棒を入れてマニュアル化すると、バルブタイミングの狂いが少なくなって、8,000rpm程度だったレブリミットが10,000rpm以上回るようになる」という説があります。
「マニュアル化する」というのはどういう事かというと、「ある程度のカムチェーンのたるみを残して、テンションローラーを固定する」ということです(ドライブチェーンと同じ)。 つまりテンションを強くするのではなくて、むしろテンションを軽減する方向です。
ならば、スプリングが柔らかいHM純正テンショナーを使えばいいのでは?
実はジョルカブも12Vモンキーも、そしてWave110も、カムチェーン・テンショナーの部品は、シーリングワッシャーに至るまで、全く同じパーツで構成されています。 モンキーなんかでは、10,000rpmオーバーまで回す人がいますから、HM純正テンショナーがレブリミッターになることはないハズです。
ココとか読んでも、HM純正でも「張り過ぎる嫌いがある」とのことですので、高回転化のためのマニュアル式と考えるのが正しいようです。
まあ、ウチのエンジンは遠心なんで、どのみち10,000rpmどころか8,000rpmも回すことはないんですが、どのような結果になるか楽しみですね。 たとえバルブとピストンがクラッシュしても、予備の部品があるから大丈夫だしね。 (^^;