山崎養世の「東奔西走」 高速道路無料化が実現しない本当の理由 民営化で状況は逆に悪化した:Biz-Plus
まず、猪瀬氏は、便利な高速道路を使う受益者は、その対価として料金を払うべきだ、と主張しています。
事実は、日本の高速道路ユーザーは、高速道路を走る時にもガソリン税をはじめとした税金という「対価」を既に払っています。それは、自動車ユーザー全体の税金の2割もの2兆円近い額です。
たぶん世論調査をすれば「税金そのままで高速無料化」よりも、「高速有料のままで税金引き下げ(特別措置の割り増し廃止)」の方が、圧倒的に支持されると思いますけどね。
税金の使い道は、ユーザーに任せるべきでしょう。
確かに高速道路が無料化されれば、トラックなどが積極的に利用するでしょうから、一般道の混雑や事故が減るかもしれませんね。
でも高速道路は、90km/hリミッターの効いたトラックで溢れかえります。 名神みたいにトラック同士で追い越し掛け合うもんだから、2車線とも潰れて後ろで大渋滞なんてことも増えるでしょう。
無料になれば、”走り屋”も増えるでしょうね。 高速道路の事故率は上がることはあっても、下がることはないでしょう。 高速での事故は、速度が高いぶん重大事故になりがちです。 一般道の事故減と釣り合いがとれるかどうか?
高速道路の利用率が上がって、現在でもパンク寸前の東名では、第二東名の必要性が叫ばれることでしょう。 「もう新しい高速道路は必要ない」と言っていたのに、また新しい高速道路を作らなければなりません。
高速道路を使えばCO2が削減できる、という考え方もありますが、そもそも今のトラック物流に頼った方法の是非から検討すべきではないでしょうか。
個人的にホンネを言えば、無料化で高速が混むよりも、有料でもいいから空いた高速を走りたいです。