ビッグフィンのNICE110(ZN110)そっくりな支那エンジンのシリンダーヘッドですが、果たして圧縮比はどの程度なんでしょうか。
なかなか計算では出しづらいので、3D CADでモデリングしてみました。 ちゃんと測定した訳ではありませんし、吸排気バルブやプラグホールは省略していますので、あくまで目安として考えてください。
まず燃焼室自体の容積は9.52ccとなりました。 ヘッドガスケット(Φ52.4Xt1.0)が2.16ccということで、合計13.68ccとなりました。 実際にはプラグホールやバルブシートの窪みがあるし、ヘッドガスケットの厚みはt1.2くらいはありそうなので、もっと容積が多いかもしれません。
現状の排気量が119.69ccなので、圧縮比は10.25ということになります。 Wave110の圧縮比は9.0らしいのですが、ピストン上面に窪みがあります。 もし支那ピストンに同じ窪みがあったら、やはり9くらいになるので、燃焼室の容積は妥当なところかもしれません。
ちなみにWave110の燃焼室容積をそのままでボアをΦ52.4にすると、圧縮比は9.88になります。 支那エンジン(153FMI)の出力が、排気量に比較して低いことを考えると、圧縮比が高くならないように燃焼室容積を大きくしてあるのかもしれません(スキッシュエリア外径はΦ52ありましたし)。
124cc化を実施した場合、ヘッドガスケット(Φ54Xt1.0)が2.29cc、支那ピストン上面の窪みは無し(小さなバルブリセスはある)ということで、合計11.81ccとなります。
排気量は124.76ccになりますので、圧縮比は10.56に上がります。 前述のように、燃焼室容積がもう少し大きい可能性を考えると、10.0くらいにおさまるんじゃないかと思います。 支那セルモーターは、バッテリーさえOKなら96cc時代よりも余裕で回していますので、ボアアップ後も大丈夫でしょう。
なんで圧縮比を気にするかというと、SP武川のE-Stage(Gタイプ)ボアアップキットは、ハイオク指定なんです。 このキットの場合は圧縮比がカタログに載ってないのですが、他のキットだと11とか11.5なので、やっぱりその辺りなのかなと。 C100EX(HA06)の圧縮比は8.8、排気量が97.19ccから111.28ccになるとすると、単純計算では圧縮比は10.08になります。
XLR125Rが9.2、XR100モタードが9.4、スペイシー125が9.5、スペイシー100が9.0です。 水冷のリード110は11.0だそうです。
使用目的が通勤なので、コストを考えるとハイオク指定は避けたいものです。
# ちなみに、ハイオクと圧縮比とカムシャフトの吸気閉じタイミングの関係については、こちらのページが参考になりました。