ビーフは温暖化の始まり、でも一体どうすれば (浜田基彦の「走る 曲がる 止まる」):NBonline(日経ビジネス オンライン)
「飼料効率」という数字がある。牛は体重を1キログラム増やすのに約10~11キログラムの飼料を必要とするので、飼料効率は10%。牛が飼料を食べると、飼料の10%だけ体重が増えるということだ。豚は25~33%、ブロイラーは46%だというから、牛は大食いだ。
この飼料効率によれば、3億トンのトウモロコシは、3000万トンの牛肉に化ける。つまり、3億トンのトウモロコシを牛に与えなければ、世界から牛肉が3000万トン減ることになる。今の牛肉生産量が6000万トンだから、半減だ。
人間はその代わり、3000万トンのトウモロコシを食べる。3億トンのうちの3000万トンを食べても、まだ2億7000万トンが浮いている。これでバイオエタノールを作れる。
1トンのトウモロコシからは337リットルのバイオエタノールを作れる。よって2億7000万トンのトウモロコシからは900億リットルのエタノールができる計算になる(ここでは取りあえず古めの技術を前提にした数字を使った。粒だけでなく、芯も含めてトウモロコシをエタノールにする技術もできつつあり、この数字は日々大きくなっている)。
まあねぇ。 でも牛肉美味しいんだよね~。 畜産関係者から大顰蹙を買いそうな案です。
「牛を食べなければいい」というのは「クルマに乗らなければいい」と同じくらい「わかってても出来ない」方法です。
牛肉禁止の効果はまだあります。
まだあった。牛はゲップやフンからメタンを出す。1頭が年に100キログラム、つまり0.1トン以上のメタンを出すという。「どうやって測ったんだ」という疑問はあるが、精度は期待できない数字なので、そういうことにしよう。
牛は全世界で13億頭いるから、全部で1.3億トンのゲップ、いやメタンを出している。メタンの温暖化係数は20以上あるから二酸化炭素に換算して26億トン分になる。これが半減すると13億トン分の削減になるのだが、乳牛もいるなど条件がややこしいので、正確なところは分からない。それでもトウモロコシから燃料を作るより、こちらの方が効果は大きいかもしれない。
昔、電波少年で松村邦洋が、牛にゲップをやめるようにお願いに行くという企画があったな。 牛のゲップは相当臭いらしい。
ヒンズー教のインド人は牛を食べないけど、おかげで野良牛が街を闊歩しているのだとか。
ヒンズー教は温暖化を救う?