ホンダの無責任さでスーパーアグリは迷走 F1放浪記 : nikkansports.com
自分たちの責任で琢磨の解雇を決めておきながら、その場を取り繕うために、しっかりとした見通しもないまま、新チームまで立ち上げてしまい、その後、2年あまりも多くの負担とレギュレーション違反ギリギリの脱法行為まで重ねて維持してきたスーパーアグリは、どこから見ても「ホンダのNO・2チーム」だ。それを公式には「独立したチームです」と言い続けてきたホンダの姿勢は、一企業としてあまりにも無責任だと思う。しかもこの2年余りにわたってスーパーアグリに対するホンダのスタンスは全くというほど一貫せず、あるときはあたかも「自分たちのNO・2チーム」であるように振舞ったかと思えば、あるときは「そろそろ独立してもらわないと困る」と突き放し、少なくとも僕の目からはホンダ側の長期的なビジョンが見えたことなどは1度としてなかった。(中略)
だが、それよりももっと根本的な部分で、このチームの存在がどうしようもなく不幸なよじれの中にあったこと、それがホンダというモータースポーツの世界で多くの尊敬を集めている企業の、無責任で、場当たり的な態度に起因するものであったことを考えると、どうしようもなく悲しい気持ちになる。
SAF1へのスタンスどころか、自チームの方針さえ定まっていなかったのは事実です。
カスタマーカーについても、甘い見通しであったことも確かでしょう。
ただ、これはどうなんだろう?
スーパーアグリは琢磨のためにつくられた F1放浪記 : nikkansports.com
極論すれば、スーパーアグリとは佐藤琢磨という1人のドライバーのためだけにに作られた極めて異例なチームだった。今から2年以上前の2005年秋、当時のホンダF1首脳陣はルーベンス・バリチェロとの契約にサインする。当時、本来なら契約期間が残っていたはずのジェンソン・バトンがウイリアムズへの移籍を強行しようとしたため「バトンを失った場合」を考慮してのバリチェロ獲得だったのだが、その後、ホンダがバトンの引き留めに成功したために2006年のホンダドライバーがバトン、バリチェロのコンビに決定。そのあおりを食ったのが佐藤琢磨で、彼は新加入のバリチェロに押し出される形でホンダのシートを失うことなってしまうのだ。こうして結果的に「失業した」琢磨の扱いをどうするのか? 日本では絶大な人気を誇る琢磨を「クビにした」というファンの厳しい批判をかわすために、ホンダが飛びついたのが「鈴木亜久里を代表にした新チーム設立」というアイディアだったのだ。
「亜久里さんには大口スポンサーのアテがあり、チームの運営資金については全く心配がないと聞いている。あとは我々がエンジンや車体に関する技術支援を行えば新チームは十分に機能するはずで、日本人オーナーと日本人ドライバーの組み合わせによる新チームの参戦は日本のF1にとってもポジティブなものになるはずだ…」と当時語っていたのはあるホンダ上層部の人物。05年日本GP直前にホンダから明らかにされたこの「11番目の新チーム」の計画はその後、「スーパーアグリF1」というチーム名とともに発表されたわけだが、ある程度間近でF1を見てきた人なら、この計画に少なからぬ不安と驚きを感じたはずだ。
SAF1の話を聞いた時は、自分も「冗談だろ」と思ったクチです。 止めたほうがいいのにと。
ただ上記の文章だと、ホンダが琢磨の天下り先を確保するために、鈴木亜久里をそそのかして新チームを旗揚げさせたように読めるんですが。 ”たかが”一人のドライバーのために実際にそんなことするかなぁ? 数十億ではきかないコストが掛かる話だよ?
クールに考えれば、F1を目指している日本人の若手ドライバーなんていくらでもいるし、中野信治みたいにIRLに出すことだって出来た訳だから。
琢磨がクビになったのも、05年の不安定なパフォーマンスからすれば致し方ないとも思いました。 当時はまだバトンも未勝利で、数多くの優勝経験があるバリチェロの方が優位と考えるのは自然なことです。 結果的にはバリチェロのパフォーマンスは期待を下回るものでしたが、事前に成績を予測できる人なんていないでしょう。
個人的にSAF1の挫折は、「大口スポンサーを見つけられなかった」ことに尽きると思います。
参戦前は「ソフトバンクがスポンサーになるかも!?」とか噂が立ちましたが、結局は訳の分からん企業が付いただけで、おまけに契約不履行。
大体「純国産チーム」に海外のスポンサーが付くのは難しい。 ましてや参戦当初はレギュラードライバーが二人とも日本人。 琢磨はまだしも、井出とか山本とかF1レベルに達していないドライバーなんか乗せちゃうし。
もう今の時代に、日本企業で海外にブランドをPRしたいところなんてあんまりないんだよ。 バブルの頃ならともかく、日本向けのPRでF1をスポンサードなんてしないでしょ。
SAF1に買い手がつかない理由は、資産の少なさと累積債務にあったようです。
こうして見ると①ホンダの全面的な支援なしでは機能せず、②独自にマシンを開発する体制を持たず、③大きな日本系スポンサーも持たず、それどころかホンダや他の企業に対して多くの負債を抱えており、④フォースインディア(旧スパイカー)との間で07年用マシンの合法性について裁判で係争中でもある…スーパーアグリを買収することは、多くの負担やリスクを伴う投資であることが良く分かる。
(中 略)
スーパーアグリに対するホンダの支援には「スポンサー」としての経済的な面と技術的な部分に大きく分かれるが、エンジン供給など公式には「有償」でのサポートとなっているものも、現時点ではその代金が未収となっている部分が多く、また仮に支払いがあったとしても、その値段は実際の経費の一部を賄うに過ぎないレベルのものだと考えられる。それに加えて、ホンダは多くの「無償」技術援助を行っているため、スーパーアグリの売却に伴い、新たなオーナーにも技術サポートを保証するということは、こうした多額の支出や労力を今後も負担していくことを意味している。
ホンダの持ってる債権は放棄することになるんだろうな。 ホンダの株主は、6月の株主総会で追求した方がいいと思う。 F1やファンとは別のレベルで、福井社長の責任は重いね。