ホンダと日産と東レ、炭素繊維車を共同開発?

ホンダと日産と東レ、炭素繊維車を共同開発へ:NBonline(日経ビジネス オンライン)

報道によると、ホンダと日産自動車は、炭素繊維大手の東レなどと共同で2010年代半ばをめどに自動車向け炭素繊維材料の量産技術を確立し、「車体に使われる鋼材のほとんど」を新材料に置き換える。実用化の促進に向け、経済産業省は5年間で1850万ドル(20億円)の支援を実施する予定。多くの企業や研究機関が開発に参加する見込みだ。
 
(中 略)
 
7月24日付の日経記事に対して日産とホンダが両社とも敬遠しているのは、それが理由かもしれない。日産は報道内容を否定、ホンダは「当社から出た情報ではない」とコメントしている。

コストは別にして、CFRPの課題はざっと考えただけで、これだけあげられます。

 1.サイクルタイム (45sec/台で作れるか)
 2.対候性 (20年以上の対紫外線、化学的安定性)
 3.リサイクル性 (廃CFRPの処理)
 4.補修方法 (ディーラーや修理工場で補修できるか)
 5.製造に必要なエネルギーの大きさ (オートクレーブでの長時間焼成)
 
 F1などのレーシングカーでCFRPが使われるのは、これらが無視できるからです。 せいぜい使用期間は1年くらい。 使い捨てといってもいいですからね。

 CFRPがダメと言ってるわけではなくて、量産車への適用にはアルミボディー以上に乗り越えなければならない課題が多いということです。 だいたい接着剤ですら、強度のかかるところにはほとんど使われていないのですよ。

 東レの技術はノートPCの筐体には使えても、構造部材であるクルマのボディには使えないんじゃないかなぁ。 ドアくらいなら使えるかもしれませんが。