「鉱工業生産指数」は、経済産業省が調査しているもので、主に製造業の生産活動のレベルの変化を示しています。最新のデータは2008年11月までで、12月26日に公表されました。
私はこの結果を見て、腰を抜かすほど驚きました。
何をそんなに驚いたのでしょうか?
単月での変化率ではイメージがつかみにくいので、これが1年間続くとどうなるかを計算してみますと、何とマイナス63.7%(!)となります(これを「年率」といいます。具体的には0.919を12乗することによって求められます※欄外注参照)。1年間で生産レベルが約3分の1にまで落ち込んでしまうほどのスピードだということです。
3割減ではなく、1/3になるというところが凄まじいですね。
次に「機械受注統計調査」を見ましょう。これは、内閣府が、機械製造メーカーが毎月どの程度の注文を受けたのかを調べているものです。企業が設備投資をするには、まず機械の注文を出すはずですから、その注文の動きを見ていれば、設備投資の動きを早めに知ることができるはずです。最新のデータは、これも2008年11月のもので、2009年1月15日に公表されました。この結果もまた驚くべきものでした。
前月比は何とマイナス16.2%だったのです。年率を計算すると(あまり気が進みませんが)、実にマイナス88%となります。設備投資はお先真っ暗だということです。
統計データはしばしば実感と乖離するものですが、今回の不況に関して言えばまさしく今の状況を正しく表しているように思いますね。